なぜ、データ保護が今注目されているのか?
多くの企業が自社のシステム基盤をクラウドにシフトする「クラウドファースト」の時代において、オンプレミス環境でのみ用いられてきた、バックアップ・リストアの機能に限定された従来型のデータ保護の仕組みでは対応が困難な状況です。あらゆる環境・要件に包括的かつ柔軟に対応可能なデータ保護のプラットフォームと機能が求められています(図1)。
これらの内的要件、外的要件に対応するためには、シンプルかつフレキシブルで拡張性の高いデータ保護のプラットフォームが必要となります。ここから具体的に求められる、機能の「あるべき姿」について解説していきましょう。
今後求められる運用その1:一元管理
日々、肥大化・複雑化するインフラを、限られたリソースとコストでいかに効率的に運用していくか? 多くの企業で以前から課題となっています。
課題となっている背景は、システムを構築する際にデータ保護の仕組みも都度検討・導入される場合が多く、そのためシステムごとにサイロ化されたデータ保護環境が存在してしまうからです。
この場合システムごとにデータ保護のツールはもちろん、システム管理者も異なっている場合が多く、結果的にデータ保護運用が属人化され、効率性が失われます(図2の左側)。
今後求められる運用としては、統合型のデータ保護ツールによる一元管理が推奨されます。具体的なメリットは、以下の通りです(図2の右側)。
- ツールの操作が統一化されることにより、運用管理がシンプルとなり属人化の問題が解消される
- 単一の管理ポイントのまま、シームレスな拡張が可能となる
- 保護データの保管場所が集約されるため、重複排除・圧縮効率が最大化される
- システム間のデータ連携も容易に実現可能となる(例:システムAのバックアップデータをシステムDにリストア、等)