Oracle Cloudのフルサービスを大阪リージョンから提供、MAAが可能に
Oracle Cloudでは急激にデータセンターインフラの拡充を行っており、グローバル戦略として2020年内に大阪を含めて36のリージョンに拡大する予定だ。そして今回、日本国内に2拠点のリージョンが開設されたことで、「Oracle MAA(Maximum Availability Architecture)の構成がとれるようになります。その上で企業のコンプライアンスの規制にも準拠できるようになります」と、日本オラクル 執行役 最高経営責任者のケネス・ヨハンセン氏は言う。
Oracle MAAはオンプレミスの世界で実証済みの、Oracle Databaseの高可用性構成アーキテクチャのベストプラクティスだ。金融業界など極めて高い可用性要求があるようなデータベースシステムにおいて、既に多くの実績があるアーキテクチャとなっている。
そのOracle MAAの構成要素の1つに、遠隔地間でデータベース同期を実現するためのOracle Data Guardのロジカル・スタンバイ・データベース機能がある。これまで国内に東京リージョンしかなかった際には、Oracle CloudでMAAを実現するには海外リージョンとの間でデータベース同期構成をとるしかなかった。今回大阪リージョンが開設したことで、国内の遠隔地2拠点でOracle Data Guardを用いたデータベース同期環境を実現できる。
これによりミッションクリティカル・システムで機密性の高いデータを扱う場合にも、国内のOracle Cloudの環境に閉じた形でMAA構成がとれるようになったのだ。そう言う意味では、今後主戦場となるであろうミッションクリティカル・システムのクラウド化のビジネスを確実に獲得するために、大阪リージョンの開設はOracleにとって必須のものだったと言える。
コスト、セキュリティ、コンバージド・データプラットフォームがOracle Cloudの優位性
ヨハンセン氏は、後発のOracle Cloudには3つの優位性があると言う。1つがプライスあたりのパフォーマンスの高さだ。Oracle Cloudでは他のクラウドサービスよりもプロセッサ当たりのスループットが高い。「これは必要なCPUリソースが少なくて済むことであり、結果的にコスト・パフォーマンスは高くなります」と言う。ようは同じ規模の処理をするために必要となるコンピュートやストレージIOが、他のクラウドサービスよりも少なくて済むので、利用料は安くなると言うことだ。
もう1つミッションクリティカル・システムをクラウドで動かす際に重要となる優位性が、セキュリティの高さだ。Ge2のクラウドインフラでは、コンピュートだけでなくネットワークレベルの仮想化レイヤーで分離している。これにより、Oracleの管理者であっても顧客のネットワークにはアクセスできず、顧客のデータを見ることはできないのだ。
またOracleでは顧客がデジタル変革を進めるためのデータドリブン・ビジネスをサポートしようとしている。「このときに重要となるのが、コンバージド・データプラットフォームです」とヨハンセン氏。さまざまなタイプのデータをOracleであれば1つのデータベースで管理できる。その結果Oracleの1つのデータベースでさまざまなワークロードを処理でき、これがデータドリブン・ビジネスでは必要となる。