SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

Data Tech 2022

2022年12月8日(木)10:00~15:50

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

紛争事例に学ぶ、ITユーザの心得

顧客データをなくしても責任はない?クラウドの約款に見え隠れする落とし穴

 エンタープライズITにおいても活用が進むクラウド。そうなると付き合う必要がでてくるのが、約款です。今回は約款に見え隠れする落とし穴について、実際の判例に基づいて解説します。

交渉の余地がないクラウド契約

 昨今、企業のIT活用においてクラウド導入が珍しくなくなりました。そうなると厄介なことの一つに約款というものがあります。

 ご存じの通り約款というのは、サービス提供者が不特定多数の顧客に対して一律に、自らの提供するサービスや負うべき責任、免責事項を記したものです。法律的に見れば、これも債権債務と関係を持つ契約の一種として位置づけられます。

 不特定多数の顧客を相手にという訳ですから、クラウドサービスの契約はほとんどが、この約款によっています。オンプレミス開発における業務委託契約などであれば、開発するベンダの作業や成果物、負うべき責任について交渉し、システムやプロジェクトの特性等々も踏まえて、個別の契約ができます。

 しかしこの“約款”というものになってしまうと、交渉の余地はなく、「これに同意いただけないなら、お使いいただかなくて結構です」という姿勢となります。なかなか“取り付く島もない” 契約形態といえるでしょう。

 しかも約款の中身をよく見てみると、かなりクラウドサービス業者側に有利な条件を並べています。クラウドサービス業者は世界中のわがままな顧客を相手にしているため、致し方のないことではありますが、特に何かトラブルがあった際の責任の範囲については、かなり限定的にしているものが多いようです。

 今回取り上げる例も、トラブルが発生した際の約款の効力を巡って争われた例です。厳密にいえば、クラウドサービスというよりも、レンタルサーバ契約を巡っての争いになります。恐らく、このあたりの考え方はクラウド時代にあっても、ほぼ同じになるかと思います。

 判例は、以前にも取り上げたもの(※)になりますが、前回はベンダによるデータ消失の責任という切り口で取り上げましたので、今回は少し違う角度で同じ判決を見てみましょう。事件の概要からご覧ください。

※過去連載

次のページ
ベンダが約款に基づく免責を主張した事件

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
紛争事例に学ぶ、ITユーザの心得連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

細川義洋(ホソカワヨシヒロ)

ITプロセスコンサルタント東京地方裁判所 民事調停委員 IT専門委員1964年神奈川県横浜市生まれ。立教大学経済学部経済学科卒。大学を卒業後、日本電気ソフトウェア㈱ (現 NECソリューションイノベータ㈱)にて金融業向け情報システム及びネットワークシステムの開発・運用に従事した後、2005年より20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/13164 2020/07/06 10:00

Job Board

PR

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

2022年12月8日(木)10:00~15:50

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング