データドリブン経営では、これまでのビジネスにおける主従が逆転する
押久保剛(以下、押久保):data tech 2020のクロージングキーノートは、富士通の福田譲さんとジャパン・クラウド・コンピューティング/ジャパン・クラウド・コンサルティングの福田康隆さんをお招きしてのパネルディスカッションです。そもそもこの企画のきっかけは、6月に本誌で掲載し人気を博したお二人のDX対談から端を発しています。EnterpriseZineの対談で、譲さんがデータドリブンの経営では主従が逆転するというお話をされましたが、これについて深掘りした話をしていけたらと思います。まず、自己紹介をお願いします。
福田譲氏(以下、譲氏):今日は二人とも名字が福田なので、お互い下の名前で呼び合わないといけないですね。私は1997年にSAPに入社し、2020年3月末まで23年間所属していました。営業職から管理職、そして最後の数年は日本法人代表として。しかし振り返ってみると、当初からデータドリブンに対応できていたかというと裾野から山を登っていったという感じですね。23年間を大きくビフォー10年(非データドリブン)、アフター10年(データドリブン)と分けられるイメージです。そして現在はユーザー企業としての富士通で、主にITとDXを担当しています。
福田康隆氏(以下、康隆氏):私は譲さんと1年違い、1996年に日本オラクルに入社しERP畑を歩みました。その後CRMのセールフォース・ドットコム、そしてマーケティング分野でのマルケトと少し違ったジャンルになりましたが、20数年間外資系ITを見てきたという点では共通点があるのではと思っています。2020年1月からはITベンダーを離れ、海外のITベンダーが日本へ進出する際に支援をする企業にいます。