SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2025 春の陣(開催予定)

2025年3月18日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

経験経済時代のAIテクノロジー ミン・スン

第3次AIブーム「失敗と達成」を検証し、今後のビジネス活用を考察する

経験経済の時代のAIテクノロジー Vol.6

 第3次AIブームの最初期に打ち立てられたムーンショットビジョンを達成した企業はほとんど存在していないと言っても過言ではなく、ほとんどのプロジェクトが頓挫または方向性の変更を強いられています。この8年間で何が達成され、どのようなプロジェクトが頓挫したのかを検証し、今後、AIをビジネスにどのように結びつけていくかを考察します。

第3次AIブームから8年、頓挫したプロジェクトも

 2012年、ジェフリー・ヒントン氏が率いるトロント大学の研究チームが開発したディープラーニングを用いたシステムが、著名な画像認識コンペティションで2位以下に大差をつけて勝利したことをきっかけに、多くの企業がAIに期待を込めて様々なプロジェクトを開始してきました。

 特に、アーリーアダプターと呼ばれる企業数社は、野心あふれるムーンショットビジョンを掲げ、挑戦を重ねてきました。そして、AI領域への投資は急速に膨らみ、第3次AIブームとまで呼ばれるほどのビジネスにおける一大ムーブメントとなりました。

 しかし、第3次AIブームの最初期に打ち立てられたムーンショットビジョンを達成した企業はほとんど存在していないと言っても過言ではなく、ほとんどのプロジェクトが頓挫または方向性の変更を強いられています。

 たとえば、アメリカのMDアンダーソンがんセンター<https://www.mdanderson.org/about-md-anderson/foreign-countries/japan.html>では、2013年にIBMワトソンを用いた特定のがんを診断した上で治療計画を提案するAIの実現をビジョンとして掲げ、プロジェクトをスタートしました。しかし、2017年には、プロジェクトでかかった費用が6,200万ドルにまで膨れ上がりつつも実用に向けた成果をあげられなかったことからプロジェクトは保留されることとなりました。上記のような大規模プロジェクトの頓挫が世界各地で起こりつつも、ビジネスにおけるAI活用に向けた取り組みは数多く進められています。

 では、第3次AIブームの到来から約8年が経とうとしている今、私達はどのように目標を定め、AIのビジネス活用に向けた取り組みを進めていけばいいのでしょうか? 今回は様々な事例をもとに、ビジネスで力を発揮するAIを開発するためのアプローチについて考察をまとめていきます。

現在活用が進められている3つのAI

 AI開発競争が激化している今、多くの企業が自社のビジネス課題に合わせたユニークなAIを開発しています。ニュースなどを見るとそれぞれの個性的な特徴が強調されており、他のAIとの類似点がないようにさえ思えるものもあります。しかし、現在活用が進められているAIが解決している課題を注視すると、AIが解決している課題はいくつかに分類できます。中でも多くの企業で開発、導入が進められているのは以下の3種類です。

  • 同種同類の反復作業の自動化
  • ビッグデータの網羅的な分析
  • エンゲージメントの省人化

 それぞれを考えていきましょう。

次のページ
同種同類の反復作業の自動化

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
経験経済時代のAIテクノロジー ミン・スン連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ミン・スン(ミン・スン)

Appier Japan株式会社 チーフAIサイエンティスト 2005年からGoogle Brainの共同設立者の一人であるAndrew Ng(アンドリュー・エン)氏、元Google CloudのチーフサイエンティストであるFei-fei Li(フェイフェイ・リー)氏などのプロジェクトに携わり、AAAI(アメリカ人...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/13853 2021/01/25 13:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング