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オラクルのAutonomous Data WarehouseはDB専門家以外にも恩恵

edited by DB Online   2021/05/06 11:00

自律型によりDBAだけでなくデータサイエンティストにもメリット

 Oracle Cloudには、Autonomous Database以外のデータベースサービスとして「Exadata Cloud Service」もある。これらはどう使い分けることとなるのか。「Autonomous Data WarehouseもTransaction Processingも、チューニングの必要がないとはいえ、それはあくまでも汎用チューニングの範囲です。より高性能を目指して高度なチューニングが必要ならば、Exadata Cloudを薦めることになります」と佐藤氏。OracleとしてはAutonomous Databaseのサービスが、クラウド上のデータベースのゴールだとは考えている。とはいえ現状では全てのニーズを満たせるわけではないので、ユーザー要件とのフィット&ギャップを見て、ギャップが大きければExadata Cloudなどを適宜提案することになるのだ。

 他にもエンタープライズなミッションクリティカル用途のシステムでは、SI企業のパートナーなどが深く介在し、運用管理も自分たちでコントロールしたいデータベース環境もある。この場合も、運用管理面で自由度のあるExadata Cloudを選ぶことになる。一方、比較的ワークロードが明らかなISVのアプリケーションのデータベースなどは、エンタープラーイズ用途でもAutonomous Databaseを選ぶことが増えている。

 Oracleでは、Oracle Cloud Infrastructureと併せたAutonomous Databaseの自律化のレベルは、他のクラウドベンダーと比べてもかなり高いとの自負を持っている。DBAに負荷をかけないAutonomous Databaseを使えば、ユーザーはアプリケーションを構築し活用するところに注力できる。それをさらに進めるためにも「もう一段階、自律化のレベルを上げていかなければなりません」と佐藤氏は言う。

他のクラウドベンダーも含め、DBaaSの自動化、自律化はこれまで、運用管理の負荷軽減で注目されてきた。Oracleでは運用管理部分の自律化レベルを上げることはもちろん継続し、今後はそれに並行してデータベースを活用するユーザーの自動化、セルフサービス化を強化することとなる。双方の面での自動化、自律化がさらに進めば、Autonomous DatabaseはOracle Cloudの優位性向上につながるはずだ。

 そのためにもAutonomous Data Warehouseが、単なるクラウド上のデータウェアハウス用の便利なサービスではないことを市場に伝える必要がある。データローディングやローコード開発、AutoMLのような機能を積極的に組み込むことで、DBAにもシチズン・データサイエンティストなどにも自動化、自律化のメリットを享受できる、新たなクラウドデータ活用プラットフォームであることを、市場に改めて伝える必要性があるだろう。



著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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連載:週刊DBオンライン 谷川耕一

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