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オラクルのAutonomous Data WarehouseはDB専門家以外にも恩恵

edited by DB Online   2021/05/06 11:00

自律化した運用管理とセルフサービスで使える拡張

 Autonomous Data Warehouseの開発の根幹では、電気自動車のテスラのような完全な自動走行車を目指している。自動運転のクルマは、プロフェッショナルな知識をもとに構築される。そのようクルマを、ユーザーが自分たちで組み上げることはない。「それはデータベースも同じです」と言うのは、Oracle Corporation データベースおよびAutonomous サービス担当グループ・バイス・プレジデントのスティーブ・ジバニック氏だ。

 データベースのプロフェッショナルであるOracleが、クラウド上で組み上げることでテスラのような高いレベルの自律型のデータベースが提供できる。その上でAutonomous Data Warehouseは「スマートフォンのようなものだ」ともジバニック氏は言う。スマートフォンにはさまざまな機能が入っており、それらを統一化されたユーザーエクスペリエンスで利用できる。Oracleでは、データベースにさまざまな機能を統合している。たとえばその1つが、今回Autonomous Data Warehouseに追加されたAutoMLの機械学習機能だ。

 AutoMLは、Autonomous Data Warehouseに蓄積されるデータに対し、機械学習技術を適用し知見を取得するための機能であり「基本的に専任のデータサイエンティストを不要にすることを目的としたものです」と佐藤氏。機械学習機能を使うために、別途ツールを用意する必要はなくAutonomous Data Warehouseだけがあれば、シチズン・データサイエンティストがセルフサービスで機械学習技術を利用できるようにしている。

 分析業務の専門家のデータアナリストなどは、データベースの専門家ではないので、データウェアハウスのデータを直接自由に扱うことができないことも多い。多くの場合、データウェアハウスを直接活用して自由にデータを抽出できるのは、SQLを使いこなせるIT部門の担当者だ。「今回のAutonomous Data Warehouseの機能拡張は、データアナリストやビジネスユーザーが直接データウェアハウスを使えるようにするものです。データアナリストは、これまで自身でデータをロードしたり、クレンジングや変換したりはなかなかできませんでした。ツールを使い、決められたデータを見ることしかできなかったのです」と言うのは、Oracle Corporation Autonomous Data Warehouse製品担当バイスプレジデントのジョージ・ランプキン氏だ。SQLに精通していなくても容易にデータをロード、変換できる機能が、今回Autonomous Data Warehouseに追加されているのだ。

 Oracleではデータベース管理をシンプルにして自律化するだけでなく、データベースのデータの扱いをシンプル化し、誰でもデータ活用ができるようにしている。つまり、当初のAutonomous Databaseのサービスは、データ管理者のために自律化を進めチューニングなども必要ないようにしたものだったが、今回の機能拡張は主にデータベースのデータを利用する人を楽にし、セルフサービスでデータ活用ができるようにするものとなっている。新たなAutoMLやデータローディングなどの機能を使いこなすことで「誰でもデータをロードしすぐに活用できるようにしています」とジバニック氏は言う。

 ランプキン氏も、シチズン・データサイエンティストのためにデータローディングやAutoMLの機能を組み込んだと言う。シチズン・データサイエンティストは、Autonomous Data Warehouseで学習させたいデータセットと予測したい属性を選び、スタートボタンを押すだけで機械学習技術を使い予測ができる。この時、AutoMLに搭載されている全てのアルゴリズムが適用され、予測精度の高いものを順にリスト化して提示する。つまり自分で最適なアルゴリズムを試行錯誤して選ぶ必要はないのだ。「シチズン・データサイエンティストは、AutoMLにある30種類以上のアルゴリズムについて深く理解する必要もありません。アルゴリズムを利用するのに必要なセッテイングもAutoMLが自動でやってくれます」と言う。


著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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連載:週刊DBオンライン 谷川耕一

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