SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

週刊DBオンライン 谷川耕一

オラクルのAutonomous Data WarehouseはDB専門家以外にも恩恵

 データ活用基盤として利用するOracle CloudのDBaaS「Autonomous Data Warehouse」は、2018年4月に市場投入された。その4ヶ月後の2018年8月には、OLTPとレポーティングなどの混合ワークロードに対応する「Autonomous Transaction Processing」も提供開始している。既に3年ほどの期間利用されてきたAutonomous Data Warehouseは、ユーザーからの要望に応え2021年3月には「ビルトインのデータツール」や「Oracle Machine Learning AutoML UI」、「Property Graphのサポート」など多くの機能を追加している。チューニングレスで自律化した運用で、DBA(データベース管理者)の介在を必要としないサービスとして登場したAutonomous Databaseは、現状どのように利用されており今後どのように進化するのだろうか。

クラウド化した大規模データウェアハウス Excelからの脱却にも

 Autonomous Data Warehouseは、人の介在が必要ない自律化した運用管理が最大の特長だ。その上でオートスケールやマルチデータモデルなどの特長もあり、Oracle Cloudのフラグシップサービスの1つと言える。実際、グローバルの直近四半期のビジネスは55%伸びており、国内でもさまざまな企業が利用しており、Autonomous Data Warehouseのビジネスは拡大傾向にある。

 グローバルの事例としては、Uberの競合でもあるライドシェアサービスのLyft、通信事業者のVodafone、保険会社のAonなどが大規模にAutonomous Data Warehouseを利用している。日本での採用傾向としては「IBM NetezzaやTeradataなどで実現していたオンプレミスのデータウェアハウスを、Autonomous Data Warehouseに移行する案件が増えています」と言うのは、日本オラクル テクノロジー事業戦略統括 ビジネス開発推進本部 本部長の佐藤裕之氏だ。

 データベース環境の運用管理になるべく手をかけたくないとの理由から、Autonomous Data WarehouseやAutonomous Transaction Processingを採用する例も多い。たとえば自社データセンターで数千台に上るOracle Databaseを運用しているような企業では、日常的に何らかのハードウェア障害に遭遇しており、その対応に手間と時間を取られている。障害発生すれば都度復旧作業が必要となり、それがIT部門にとっては大きな負担となっている。

 こういった環境をAutonomous Data WarehouseやAutonomous Transaction Processingに移行すれば、ハードウェアを含むデータベースインフラの管理から、IT部門の担当者は解放されることとなる。また専任のDBAを置いていなかったような企業では、運用管理のための外注費削減を目的にAutonomous Data WarehouseやTransaction Processingを選択する例もある。

 運用管理を不要としたことで、オンプレミス版のOracle Databaseではあまりなかった用途も新たに生まれている。Oracle Databaseと言えば大規模でミッションクリティカル用途をイメージしがちだが「Excelからの脱却でAutonomous Data Warehouseを利用する例が意外にあります。手元のExcelで扱っていたデータの量が増え、上手く扱えなくなった。あるいは個人で活用していたExcelのデータを共有する際に、シングルデータソースになるようAutonomous Data Warehouseを利用すると言った例も出てきています」と佐藤氏。

 この場合は、大規模データの効率的な管理ではなく、どちらかと言えば手元のデータをすぐに可視化することが目的であり、それをIT部門などの手を煩わせることなくセルフサービス化したいと考える。そのためにすぐに活用できるデータ・プラットフォームとして、Autonomous Data Warehouseを採用するのだ。このような小規模なデータ活用のニーズにも対応できるのは、Autonomous Data Warehouseが小さく安価に始められるDBaaSであること、その上でOracle製品やクラウドサービスの購入、導入に関する相談窓口であるデジタル営業部隊「Oracle Digital」が、顧客の小規模なニーズにもきめ細かく対応できているためもあるだろうと佐藤氏は言う。

次のページ
自律化した運用管理とセルフサービスで使える拡張

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
週刊DBオンライン 谷川耕一連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/14344 2021/05/06 11:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング