多くの海外のSaaSベンダーが、日本にも続々と参入してきています。新興SaaSベンダーのアプリケーションへのIT投資をどのように考えるか。33年以上にわたりB2BのITビジネスにかかわり、現在はクラウドERPベンダーのインフォア(Infor)のマーケティング本部長の北川裕康氏が本音と洞察で業界動向を掘る連載。
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今回は、EnterpriseZineの新着ニュースを見ながら書いています。多くの海外のSaaSベンダーが、日本にも続々と参入してきています。皆さんにとっては、聞いたこともないベンダーが、米国大手の企業に採用されているとアピールしているのをよくご覧になると思います。あの○○社が採用したツールが日本参入!みたいな感じです。ここにSaaSアプリケーション導入の、日米の違いがあると思います。
IT部門はコアアプリケーションや認証での連携以外ではあまり関与しないため、米国では部門でのSaaSアプリケーション採用がとても盛んです。資産を持たない強みです。マーケティング部門でのABM(Account Based Marketing)ツール、セールス部門の売上フォーキャストツールなど、そのアプリケーションの機能を必要とする部門で、SaaSアプリケーションを積極的に導入します。そのとき、そのベンダーのブランドや実績をあまり気にしないで、よいものを積極的に導入して、ビジネスに差別化しようとしています。グローバルのマーケティング組織に所属しているとそれを実感し、新しいアプリケーション、それも聞いたことのないようなアプリケーションのトレーニングを頻繁に受けています。それはそれで大変なのですが、刺激的です。
日本では、外注に頼る部門が使いこなせるかという課題もあり、また、慎重にアプリケーションを導入するので、このような状況ではないと思います。ここももしかしたらDXの力の差になる部分かもしれません。特に、部門はビジネスをリードしている部門であり、そこがSaaSアプリケーションによって、デジタル武装しているのです。
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北川裕康(キタガワヒロヤス)
35年以上にわたり B2BのITビジネスにかかわり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workday、Inforなどのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションなどで執行役員などの要職を歴任。現職は、クラウドERPベンダーのIFSでマーケティングディレクター。...
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