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OracleのSaaS戦略はフルスタックで顧客体験(CX)向上をめざす

edited by DB Online   2021/06/22 06:00

 企業がデジタル変革を進める中、たびたび登場するキーワードが「顧客体験(Customer Experience:CX)」だ。データ、デジタルの力を活用して顧客との関係性を向上しビジネス成長につなげる。顧客がより良い体験をできるかが、デジタル変革では重要となる。CXと言えばCRMを思い浮かべる。さらにデジタルマーケティングのマーケティング・オートメーションやカスタマーサービスなども必要だ。これらはSaaSで提供されており、その市場をリードしているのがSalesforce.comやOracleだ。

ゲームの中の広告効果計測のスタンダードを作る取り組み

 Oracleでは、広告関連のソリューションとCRMやデジタルマーケティングは従来別々に扱われていた。それを「Oracle Advertising and Customer Experience」と1つにし、CX関連ソリューションをまとめている。これにより広告、マーケティング、セールス、コマース、サービスの領域の連携性を深めようとしているのだ。

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 Oracleの広告関連ソリューションとしては、2014年に買収した「BlueKai」で実現するOracle Data Cloudがある。さらに最近注目を集めているのが、デジタル広告効果測定の「Moat by Oracle」もあり、これも2017年に買収しMoat社のサービスがベースだ。2018年には、コンテキストをベースにしたターゲティングを実現する「Grapeshot」も買収し広告関連ソリューションを強化している。

 Moat by Oracleは、広告の検証と注目度、リーチ、フリクエンシーなどを測定し広告効果を最大化するためのスイート製品だ。テレビや新聞、雑誌などの広告に替わり、今やWebやSNSなどに掲載されるデジタル広告が主流だ。広告がデジタル化したことで、掲載される広告がどのように見られているかを、リアルタイムに把握する技術が発展してきた。そこから広告効果を測定し、迅速に広告の最適化を図るのも当たり前だ。

 デジタル広告の世界で昨今問題なのが、アドフラウドと呼ばれる不正行為だ。アドフラウドはアクセスしたように見せかけ、不正に広告を表示させて広告費などを詐取すること。安価な労働力を使い人海戦術でアクセスすることもあれば、ボットを用い機械的に広告を表示させる不正もある。不正アクセスで広告が表示されれば、広告主は無駄に広告費を払うことになる。

 デジタル化した広告が、本当に見られているかを計測するのは難しい。ブラウザ的には表示されていても、人の目に触れるにはブラウザをスクロールしなければならないこともある。Moat by Oracleでは、実際に見られていることを検知し、クリックなどの広告効果の指標を計測できる。さらにボットによる不正なクリックも判別し除外が可能だ。Moat by Oracleのもう1つの特長が、アテンション計測と呼ばれる機能だ。これは表示された広告が、ターゲットに対しどれだけインパクトを与えたかを計測し、結果をマーケティングキャンペーンなどに活かすためのものだ。


著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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連載:週刊DBオンライン 谷川耕一

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