皆さんのプロジェクトでは、トレーサビリティ(追跡可能性)活動を行っていますか? 案外、耳にしたことくらいで具体的にはよく分かっていないという方も結構多いのではないでしょうか。この連載では、情シス部門が絶対に身に着けておくべきトレーサビリティ活動の進め方について解説します。
はじめに
この連載では、全6回にわたってトレーサビリティ活動についてお話します。対象として想定している読者は、ユーザ企業の情報システム部門の皆さんです。
さて、トレーサビリティうんぬんの話に入る前に結論を言っておきましょう。皆さんにとってのトレーサビリティの「うまみ」とは以下に尽きます。特に4行目がとても大切ですね。
自分達の要求のすべてが検討され、実装され、納入されているか、
また、それらの要求が正しく検討され、実装され、納入されているか、
具体的には、どこにどういう形で実装されているかについて、
自分たちに分かる形で説明してくれる
「…大切ですね?」とは言ったものの。
今、この文章をご覧になっている方の中には、トレーサビリティ活動の実績をお持ちの方も多いかと思います。ただ、中には「トレーサビリティ」あるいは「追跡可能性」という単語に聞き覚えがある程度の方もいるでしょう。今日、初めてトレーサビリティという言葉を知って、ネットで検索してここにたどり着いたのかもしれません。
ですから、まず今回は、この言葉とそれが意図する活動についてお話ししておこうと思います。難しい概念話は避けたいのですが、きちんとお話ししたいのでカタイ話になるかもしれません。
よって、次に当てはまる方は心おきなくこの第1回を飛ばしていただいてけっこうです。
もし、この先で「ん?」と思うことがあったら、ここに戻ってきて第1回を読み直してみてください。ヒントになるでしょう。
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南川 しのぶ(ミナミカワ シノブ)
IT技術、IT経営のコンサルタント。主にシステム開発コンサルティング活動の他、外部セミナー、顧客先企業の内部セミナーの講師も務める。カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所(Software Engineering Institute)認定PSPソフトウェア開発者(SEI-Certified P...
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