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デルタ株、船舶座礁、半導体不足……続く「サプライチェーン・ショック」にデジタルで対処せよ

edited by DB Online   2021/09/17 12:30

「コラボレーション」と「透過性」がサプライチェーン問題のカギ

 その他、サプライチェーンの分野で使われている言葉は、「コラボレーション」と「透過性」です。
組立製造業の受注生産もそうですが、ものを開発する場合は、サプライヤーと密接に協力します。サプライヤーとの企業間コラボレーションを活性化させて、顧客視点で、どのように魅力的な製品を作るためには、情報共有とコミュニケーションが重要なのです。例えば、消費者の嗜好の変化をいち早くとらえて、製品や部品開発にフィードバックするとかです。

 最後に透過性ですが、特にリコールの問題が大きいです。自動車業界で起こったエアーバックの問題や、食中毒の問題があります。衛生環境が良い日本にいると想像できないのですが、毎年、約4,800万人のアメリカ人が食中毒にかかり、12万8,000人が入院し、3,000人が死亡しているそうです。最近は、輸出も強化しているので、食品・飲料業界では、コンプライアンスは他人事ではありません。そして、例のエアーバックの問題のように、「たった一つのリコール事件」で会社組織全体を崩壊させることになる可能性があります。だからこそ、サプライチェーン全体を通して製品のあらゆる側面を追跡できなければならないのです。サプライチェーン全体の可視性と透明性を確保することで、リコールのプロセスを迅速化し、問題がある製品が消費者に届くのを防ぐことができるようになります。

 このサプライチェーンのITの分野には、サプライチェーン管理サプライチェーン計画があり、デジタルやAIが基盤として浸透しています。

 サプライチェーン管理は、サプライチェーンのプロセス全体をデジタル化することによって、インテリジェントなリアルタイムのサプライチェーン・オーケストレーションを実現します。サプライチェーンをエンド・ツー・エンドにリアルタイムに可視化することで、データ主導な意思決定を可能にし、最適なオンタイム納品を支援します。

 サプライチェーン計画は、AIや機械学習で、サプライチェーン全体を見通して、部品や材料の在庫を最適化、生産パフォーマンスを高め、在庫コストを最適化します。在庫の最適化のためには、変化の速い変動要因、避けられない制約がありますが、予測分析を活用して、リアルタイムなデータを活用して、ビジネス目標とサプライチェーンの制約のバランスを取りながら、計画を策定して、結果をモニタリングし、差異を調整して継続的に改善することで、最終利益の改善につながる適切な在庫を確保します。

 その他、サプライチェーン関連には、倉庫管理、サプライヤーとの受発注やオーケストレーション、物流の追跡システム、通関手続きのシステムなど、膨大の種類のITがあります。私もまだまだ勉強中です。機会があれば、これらについても最新情報を提供します。



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著者プロフィール

  • 北川裕康(キタガワヒロヤス)

    クラウドERPベンダーのインフォア(Infor)のマーケティング本部長。33年以上にわたりB2BのITビジネスにかかわり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workdayなどのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションを担当。その以前は富士通とDECでソフトウェア技術者。マーケティング、テクノロジー、ビジネス戦略、人材育成に興味をもち、日々格闘中。

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