SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

Security Online Day 2021レポート(AD)

「攻撃者はシステムではなく人を狙う」高度化するメールからのサイバー攻撃の最新動向と対処法

メールのドメインなりすまし対策に有効なDMARC 仕組みと設定方法は?

 ここからメールにフォーカスし、対策やソリューションを見ていこう。フィッシングやBECにつながるため、なりすましメールには特に警戒したい。なりすましメールには表示名詐欺、類似ドメインから送信、Reply-to(返信先)の悪用、ドメインのなりすましがある。

 表示名詐欺はFromフィールドに表示される送信者名を詐称する。実際には攻撃者のアドレスから送信されている。類似ドメインは正規のドメインによく似たドメインから送信する。たとえば「example.com」を「examp1e.com」など、「l(エル)」を「1(いち)」にしたり、ゼロとオーなど似た文字で見間違いを狙う。

 Reply-toの悪用は、返信先に攻撃者のアドレスを指定する。Reply-toは目立たないので、普通に返信したつもりなのに攻撃者に向けてメールが送られてしまう。ドメインのなりすましはFromにある送信元ドメインをなりすます。たとえばFromフィールドの表示名は「info@example.com」とありながらも、実際にはまったく別のドメインから送信されている。

 ドメインのなりすましにはインターネット標準となるDMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)が有効だ。DMARCの監視モードを設定すれば、なりすましされたドメイン所有者(たとえば「example.com」)に、いつ、誰が「example.com」ドメインになりすましたのか報告されるようになる。

 また受信側組織がDMARCを設定しておけば、送信元ドメインの認証を確認するのでドメインがなりすましされているか確認できて、もしドメインがなりすましされていたら隔離やブロックを設定しておくこともできる。

 DMARCはSPF(Sender Policy Framework)とDKIM(DomainKeys Identified Mail)からなる。SPFは送信元ドメインが正規の送信元かどうか、DNSで確認する。DKIMは電子署名を用いてメールが改ざんされていないかを確認する。SPFとDKIMを用いてドメインがなりすましされていないかを確認できる。

 基本的にはドメイン所有者はDNSに設定すればいいだけだ。これでドメインがなりすましされているかどうかがわかるようになる。またこのDMARCはDNSに設定するため、誰でも閲覧できる公開情報だ。DMARCが設定されてあるドメインは玄関先に監視カメラが設置されているようなもの。攻撃者視点で考えたら、DMARCが設定してないドメインを攻撃対象に選ぶだろう。攻撃の成功率が高くなるからだ。逆に言えば、DMARCを設定しておけば攻撃対象から外されやすくなると期待できる。

 DMARCは基本的にはDNSに設定するものなので、特定の製品やサービスを購入する必要がない。まだ設定していないなら、ぜひとも設定しておきたい。

次のページ
人を中心にすえたプルーフポイントのメールソリューション

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
Security Online Day 2021レポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/15029 2021/10/14 11:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング