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ANA野村氏に聞く:DXを牽引するIT人材の育て方 第18回【DX実践研究編】ANAのデジタル変革に向けた挑戦

  2022/01/24 10:00

 富士通で初めてのデジタル部門の創設やサービス開発に取り組んで来た著者の実践に基づくDX連載の第18回。著者は、富士通 デジタルビジネス推進室エグゼクティブディレクターの柴崎辰彦氏。シリーズの第3部となる「実践研究編」では、実際にデジタル変革に取り組む企業の取り組みをプロジェクトリーダーのインタビューを通してご紹介する。実践研究編2つ目の事例は、全日本空輸株式会社(以後ANA)デジタル変革室イノベーション推進部部長の野村泰一氏にお話をお伺いした。

 前回(ANA野村氏に聞く:ビジネス変革を支えるアーキテクチャー)では、ANA野村さんたちがデジタル変革を進める上でのアーキテクチャーについて紹介しました。 連載の最終回である4回目は、デジタル変革を牽引するIT人材の育て方について紹介します。

ANAデジタル変革室イノベーション推進部部長の野村泰一氏
ANAデジタル変革室イノベーション推進部部長の野村泰一氏

IT組織の変遷と進化

 野村さんは、2016年にPeachからANAのデジタル・デザイン・ラボに戻ったことは、初回の連載(ANA野村氏に聞く:現場から感謝される情報システム部門へ)でお話ししました。デジタル・デザイン・ラボでイノベーションを起こすべく、準備をすすめていましたが、その一年後の2017年にANA本体の情報システム部門として2012年にIT推進室から改称した業務プロセス改革室のイノベーション推進部の部長も兼務します。

 デジタル変革を社内のどこで引き起こすのかは、どの企業でも難しいテーマかと思います。飛び地に新しい事業を起こす新規ビジネスの探索ではなく、既存ビジネスの深化として業務に近いところにメスをいれようとすると関係するリソースはレガシー側にあることから、従来の情報システムに近いところでないと変革は起こせません。

 一般企業におけるIT部門に相当する「業務プロセス改革室」は、その後2019年に「デジタル変革室」に改称されます。野村さんは、担当するイノベーション推進部の機能を進化させていきます。

 当初は、お客さま向けシステムを担当する「サービスイノベーションチーム」と、社内の業務システムを担当する「業務イノベーションチーム」の2チームに分かれていましたが、これに加えて業務カットではなくテクノロジーカットでソリューションを企画・開発する「テクノロジードリブン」のチームを新設しました。

 そして2019年春には、それまでホスト部隊の配下にいたデータ担当チームをこちらに引き入れて、長年の悲願だった「データドリブンのチーム」を新たに作ります。これでようやく、テクノロジーとデータを武器に自分たちから能動的にシステム戦略の提案ができる体制を整えます。イノベーション推進部の人員は、2017年の15名から現在では40名に拡大しています。

図1  IT組織の進化
図1  IT組織の進化

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著者プロフィール

  • 柴崎 辰彦(シバサキタツヒコ)

    富士通株式会社にてネットワーク、マーケティング、システムエンジニア、コンサル等、様々な部門にて“社線変更”を経験。富士通で初めてのデジタル部門の創設やサービス開発に取り組む。CRMビジネスの経験を踏まえ、サービスサイエンスの研究と検証を実践中。コミュニケーション創発サイト「あしたのコミュニティーラボ」「Digital Innovation Lab」「FUJIHACK」を立ち上げ、オープン・サービス・イノベーションを実践 。サービス学会発起人 。日本ナレッシジマネジメント学会、情報処理学会、電子情報通信学会、大学等で講演多数。著書『勝負は、お客様が買う前に決める!』(ダイヤモンド社)。

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