BeeXが2022年2月24日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場し、東京証券取引所 兜倶楽部で会見が行われた。
BeeXは、企業システムのクラウド移行を支援する企業。2016年にテラスカイの子会社として設立、SAPソフトウェア基盤のクラウドインテグレーションを中心に、クラウドセールスライセンスリセール、マネージドサービスプロバイダとして事業を展開してきた。SIerのようなオンプレミスから始まるシステムインテグレーションと異なり、当初からパブリッククラウドを専門とした技術力を競争力としてきた。
とりわけ注力する事業は、2027年を期にライセンスが切れるSAPのERPパッケージのクラウド事業。広木社長によると、2000年代に導入されたSAPのERPパッケージのSAP S/4 HANAへの移行は、日本ではまだ進んでおらず今後多くの需要が見込まれることから、基幹システムのクラウド移行支援が成長戦略の第1の柱となる。
第2の柱としては、企業のDXを実現するプラットフォーム構築で、ここではAWS、Azure、Google Cloudを始めとするクラウドをベースとした企業のシステム構築が中心となる。「特定のクラウドを専門とするクラウド支援企業はあるが、基幹システム移行とマルチクラウドの対応ができることが弊社の強み」と代表取締役の広木太氏は言う。さらにクラウドへのセキュリティを強化するマネージドサービス(MSP)も、第3の柱となる。
売上構成の特徴としては、移行プロジェクトの受注によるフロー型と、ライセンスや運用などのストック型でバランスを取っていることだ。直近の売上は2021年2月期に売上が突出した。広木社長によると「大手化粧品会社の大型案件によるもの」で、今期(2022年2月期3Q)は減収となっているが、「来期以降は増収、増益基調に変えていく」と言う。
また、SAP移行やクラウド構築支援を行う人材が不足している課題については、「データ分析やBIの分野での人材確保に努めてきたが今後さらに採用を強化していく」(広木社長)と述べた。また取締役副社長の田代裕樹氏は「今回の上場も、人材採用面で大きな効果があるのではないかと期待している」と語った。