近代のB2B営業はチーム戦
営業は、英語ではSalesと言いますが、語源はSellと同じで、受け渡し(salo)だそうです。受け渡しとはちょっとイメージが異なりますね。我々が営業というと、Account Executive、Account Representative、Account Managerといった役割としての営業(人)と、売る行為や活動としての営業があります。今回のテーマは、どちらかというと後者の営業のことです。
B2B営業は、近年ではチームセリングと言われることが多く、役割としての営業(人)がリードするにしても、マーケティング、インサイドセールス、プリセールスの技術者、法務など、営業をサポートする様々な役割の人がコラボレーションすることで、チームによる活動になってきています。チームと言えばスポーツを思い浮かべるでしょう。大リーグなどをみても、投球や打撃のフォームの分析といった個々人のプレーだけでなく、守備における大谷シフトや打順の最適化などのチームの戦略作りの面で、サイエンスが重要な役割を演じています。B2Bの営業活動も同様に、個人商店ではなく、チームで売るので、やはりサイエンスが重要になってきているのです。そのために、SalesforceなどのCRMが基盤で使われています。CRMは単なるアカウントやコンタクトの管理ではく、営業プロセスや案件の管理ツールであり、すべての活動でデータが取得され、見える化、分析して、活動を修正・最適化していくためのものです。
以前の記事「Go To Market戦略とは何か? BtoB市場で勝つための思考法」で記載したように、B2B企業では「Go To Market戦略」が起点です。その戦略では、どの業種に、どのソリューションで、いくら狙いにいき、そのためのリソースがどれくらい必要かを定義します。
そして、Go To Market戦略によって、営業の組織や個人にカスケードダウンすることが重要です。カスケードダウンとは、個々の営業に、売上に関する目標数字と、自分が担当するテリトリー(ターゲットとなる企業のグループ)、そして、使えるお金や人というリソースが割り当てることです。さらに営業戦略では、目標を達成するために、テリトリーの中で、優先順位を決めます。例えば、以下のような分類をして、優先順位をつけます。
- すでにパイプライン上に案件があり、期中にクローズすべき企業(見込み企業や既存顧客)
- 毎年検討されるが、意思決定が延ばし伸ばしになっている企業
- コンタクト情報はあるが、案件が確認できていない企業
- テリトリーに入っているが、まだコンタクトもない企業
- コンタクトしているが、当面は案件がないと思われる企業
2.から5.については、営業自身、もしくは、インサイドセールス、マーケティングが、分担して案件を作っていきます。近年のマーケティングは、営業のテリトリーを狙うABM(Account Based Marketing)が主流になっているので、営業とマーケティングは、共通のターゲットのもと、がっちりタッグを組みます。