SAPが中堅・中小企業に向けて「期間と費用を明示」する理由
SAPのERPと言えば大手企業のためのもので、いまだ中堅、中小企業には手が出ないものとのイメージがある。日本におけるSAPのERPの利用企業状況を見ると、「事実、多くの大企業で利用されています。実際は大企業ばかりではなく、年商で1,000億円未満の中堅、中小企業の顧客が80%以上、500億円未満の顧客が50%以上を締めています」と語るのは、SAPジャパン バイスプレジデント ミッドマーケット事業統括本部長の田原隆次氏だ。さらに日本の中堅企業におけるここ最近の利用状況としては、多くの企業が会計などの単機能を導入するのではなく、複数の機能を一気に導入するビッグバンでのERPの導入を行っているとも言う。
これら中堅、中小企業がSAP S/4HANAを採用している理由としては、「企業のさらなる成長のための経営基盤として、業務を標準化し生産性を向上するため」、さらに「大手企業よりも予算や人材が限られる中でリソースの制約を解消するため」が挙げられる。そしてクラウド型のERPをビッグバンで導入することで、個別に複数のアプリケーションを導入して運用する手間を削減し、1つのシステムで効率化する狙いもあると、SAPでは分析する。