以下、9社の代表者にコメントをいただきました。
アクセンチュア/アマゾン ウェブ サービス ジャパン/SAPジャパン/グーグル・クラウド・ジャパン/クラウドストライク/Snowflake/日本オラクル/ニュータニックス・ジャパン/マクニカ(五十音順)
ビジネスの急成長に加え、取り組み内容に様々な変化
(アクセンチュア)
2022年を振り返って
2022年は、テクノロジー領域のビジネスが飛躍的に成長しただけでなく、取り組み内容にも様々な変化がありました。従来は単独のテクノロジープラットフォームをベースとしたプロジェクトが比較的多かったのですが、お客様のニーズや課題に対して、複数のプラットフォームを組み合わせることで、より柔軟かつ拡張性の高いテクノロジー環境の構築・運用を支援するケースが増えました。また、with/after Covidを念頭に、お客様の国内拠点のみならず、海外拠点も含めたグローバルIT基盤の再構築を支援する割合も非常に増えました。
このほか、スマートシティの領域でも、データ連携基盤である「都市OS」が日本各地の自治体において新たに導入され、市民向けデジタルサービスの実装・提供が進み出しました。このように、地方創生の取り組みも含め、日本全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)においてより一層の貢献が求められた年と考えています。
アクセンチュア
常務執行役員
テクノロジー コンサルティング本部 統括本部長
土居 高廣氏
通信・ハイテク産業、メディア、製造、金融、公共サービスなど、多岐にわたる業界でのシステムインテグレーション、ITコンサルティングに携わる。主に、クライアント、オフショアセンタ―、協力会社を巻き込む大規模かつ複雑な案件を統括する業務に関して豊富な実績を有し、現在はテクノロジー部門を統括する常務執行役員として多数のクライアントに対するIT戦略の立案からソリューションのレビュー、保守・運用のスキーム設計に至るまで、システムが安定稼働を迎えるまでのあらゆる側面においてリーダーシップを発揮している。
2023年の展望
経済の先行きに不透明感が高まり、複雑な課題やチャンスが様々な方面から押し寄せてくる中、企業や組織においては単なるDXではなく、顧客体験、サステナビリティ、人材育成等を包括的に見直す改革が急務と考えます。
アクセンチュアでは、こうした取り組みの理想形として「Total Enterprise Re-invention」を掲げています。これは、製品・サービスを含む顧客体験のプロセスをゼロから見直し、RPA等によるゼロタッチオペレーションの実現、また、プロセスマイニング・AIを活用して自律的・継続的にプロセスを最適化していく、さらに、そのベースとなる企業活動の全データを収集・活用するテクノロジー環境を構築・運用するものです。
アクセンチュアでは、テクノロジーの専門家はもとより、あらゆるビジネス領域および各業界の専門家が一体となり、総合力をもってお客様の課題やニーズに対応して、成果創出まで伴走しながら「Total Enterprise Re-invention」を支援してまいります。これにより、単にお客様のシステムを導入したり、IT投資効率を高めたりするだけでなく、テクノロジー活用による事業スピードの向上、さらにはデータに基づく企業経営の実現などを支援してまいります。
イノベーションの創出を担うスタートアップ支援も加速
(アマゾン ウェブ サービス ジャパン)
2022年を振り返って
アマゾン ウェブ サービス(AWS)は日本でサービスを開始して2022年で13年目となります。創業時から一貫してAWSではミッションステートメントである「徹底したお客様志向」を基軸に据えています。現在、AWSは、スタートアップから大企業、公共機関まで、世界190ヵ国以上の数百万、日本においても数十万以上のお客様にご利用いただいており、製造、自動車、金融、医療、行政サービスなど多様な業種でDX基盤や業務アプリケーション、基幹インフラなどに活用いただいています。
またAIや機械学習などを活用し、新規ビジネス立上げなど既存事業をreinvent(再発明)する動きも活発化しています。11月にはコロナ禍で一時閉鎖していた「AWS Startup Loft Tokyo」を再開し、日本のイノベーションの創出で大きな役割を担うスタートアップ企業の支援も加速しています。
さらにデジタル庁が各府省庁や地方公共団体など公的機関の利用に向け推進する「ガバメントクラウド」に、2021年と2022年、クラウドサービス事業者の1社としてAWSが選択されました。公共・民間を問わずデジタルイノベーションを拡大する機会が一層広がってきています。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン
代表執行役員社長
長崎 忠雄氏
2011年8月よりアマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社、代表取締役社長。 クラウドコンピューティングのパイオニアであるAWSの日本での立ち上げから参画し、ビジネス戦略立案や市場分析、サービスの価値の啓蒙、ユーザーとの関係構築となどを通じて、日本でのビジネスを成長させるとともに、ユーザーの ビジネス改革を支援。
2023年の展望
先日当社の年次イベントであるre:Inventが米国で開催されました。その中でCEOであるアダム・セリプスキーが強調したことの一つが「データの重要性」です。公共分野、民間分野で加速するデジタルトランスフォーメーションの中心にあるのが「データ」の利活用、そしてその重要な役割を果たすのが「クラウド」です。
しかしながらデータの利活用を実際に行う「デジタル人材(あるいはクラウド人材)」が不足していることが大きな問題となっています。AWSジャパンとしても「データの重要性」とそれを利活用する「デジタル人材の育成」に対しても様々なトレーニングプログラム、学習プログラムを提供しており、誰でもがテクノロジーを簡単に使うための「民主化」を進め、お客様のデータ駆動型の変革を支援していきたいと考えています。
そして2023年もこれまで同様、日本のスタートアップから大企業、公共機関まで、多様な業種で加速するDXのための基盤や業務アプリケーション、基幹インフラとしてご活用いただき、新規ビジネス立上げなど既存事業をreinvent(再発明)する動きをご支援するとともに、デジタル庁が推進する「ガバメントクラウド」に移行する地方自治体のデジタルイノベーションをご支援していきたいと考えております。
クラウドカンパニーへ大転換を遂げた年
(SAPジャパン)
2022年を振り返って
2022年はクラウドカンパニーへ大転換を遂げた年になりました。急激な円安とインフレ傾向により厳しい経済状況でしたが、DX推進に取り組む多くのお客様からお引き合いをいただき、SAPジャパンのクラウドビジネスは今年大きく成長しました。
SAP本社では、今年、パブリッククラウド版のSAP S/4HANA Cloudの強化拡充を行いました。具体的には、パブリッククラウド版であっても、SAP BTP(SAP Business Technology Platform)上でABAPによるカスタム機能開発拡張が可能となり、顧客固有のニーズに対応していきます。
そして、SAPジャパンでは、パートナー各社と共にお客様の投資効果の最大化を目指すために、中堅中小企業向けにパブリッククラウド版のSAP S/4HANA Cloudの「導入範囲」「期間」「費用」のモデルケースを提示したAll-in-Oneパートナーパッケージプログラムの提供を開始しました。パートナー各社とともに、クラウドソリューションやサービスを通じて、来年も引き続き、様々な業界や規模のお客様のDX実現を支援していきます。
SAP ジャパン
代表取締役社⻑
鈴木 洋史氏
1990年4月に日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。2000年8月にi2テクノロジーズ・ジャパン株式会社へ入社、2006年7月にJDAソフトウェア・ジャパン株式会社へ入社し、営業本部長を経て2010年2月より同社代表取締役社長に就任。2012年5月からはJDA Software Inc.のアジアパシフィック地域副社長を務め、日本を含むアジアパシフィック地域を統括。2013年4月に日本アイ・ビー・エム株式会社へ入社、理事・スマーター・コマース事業担当。2015年1月にSAPジャパン株式会社へバイスプレジデント・コンシューマー産業統括本部長として入社、2018年1月より常務執行役員インダストリー事業担当。2020年4月1日から現職。
2023年の展望
2023年も、2022年の戦略として掲げた「クラウドカンパニーへのさらなる深化によってお客様の成功に寄与すること」「社会課題解決を通じて、お客様、パートナー様、そして社員から選ばれる会社となること」「お客様をサステナブルな企業へ変革する支援をすること~ 一億人へのインパクト」の方針を、お客様の変革成功のために、継続して推進します。
ジャパンは従来、オンプレミスビジネスの比率が大きかったのですが、現状ではクラウドビジネスの比率が圧倒的に大きくなってきています。来年はクラウドビジネスの成長をさらに加速する年となります。以下の3つの分野に大きく注力していきます。第1にパブリッククラウド版のSAP S/4HANA Cloudを通じたお客様のDX実現の支援、第2に、特にパブリッククラウド版のSAP S/4HANA Cloud を活用した「Fit to Standard」による中堅中小企業のDX支援の更なる加速、第3に、パートナーエコシステムの拡充、です。