ノーコード、ローコードツールの市民開発の実現で俊敏性を得ることが重要
SAP Buildはアプリケーション構築のSAP Build Apps、プロセス自動化のSAP Build Process Automation、ビジネスサイトのデザイン機能となるSAP Build Work Zoneの3つで構成される。SAP S/4HANAなどアプリケーションで実現されるビジネスプロセスには、変わらないものと変えるべきものがある。「変えるところをSAP Buildのノーコード、ローコードで対応します」と言うのは、SAPジャパン Business Technology Platform事業部 事業部長の岩渕 聖氏だ。
変えるべきところがどこか、それをいち早く察知できるのはIT部門のエンジニアなどではなく現場のビジネス担当者だ。「たとえば入社手続きというプロセスは変わりませんが、コロナ禍以降はそれを出社しなくてもできるようにしたい。ここは変わるところです」と岩渕氏。
変えるべきところが分かれば、それをなるべく早くに改善したい。それを現場担当者がノーコード、ローコードで実現できれば、組織には俊敏性が得られる。SAPジャパン バイスプレジデント インダストリ&カスタマーアドバイザリ統括本部 本部長の織田新一氏も「現場レベルでの俊敏性の獲得は重要です。とはいえ、なかなか俊敏性を獲得できないのが日本企業の課題です」と指摘する。
変えるべきことがユーザーインターフェイスレベルだけなのか、あるいはバックエンドのデータモデルなども含めるべきか。SAP Build Appsではこれまで、ユーザーインターフェイス部分の開発には対応できた。今回は新たにバックエンドデータモデルやビジネスロジックもノーコード、ローコードで開発できる「Visual Cloud Functions」が新たに追加されている。