Salesforce CDPはリアルタイム性のある顧客データプラットフォーム

Salesforce CDPは、2022年9月に開催されたDreamforceでは「Salesforce Genie」と発表されたものだ。従来CDP(Customer Data Platform)と言えば、マーケティングオートメーションなどで利用する、顧客の行動データなどを集めたデータプラットフォームとして捉えられてきた。Salesforce CDPは、マーケティング領域以外の情報も集めたより幅広い概念を持つものとなる。
Salesforce CDPが生まれた背景には、企業が扱うべき顧客に関するデータが、CRMやマーケティングオートメーションの仕組みで得られるものを超え加速度的に増加していることがある。「今や1人でいくつものデバイスを持ち、ビジネスの世界でもARやVR、ドローンなど新しいデバイスも活用しており、顧客に関するデータは増える一方です」と言うのは、セールスフォース・ジャパン マーケティング本部 プロダクトマネジメント&プロダクトマーケティング シニアディレクターの松尾 吏氏だ。
さまざまなデバイスから生まれるデータを顧客中心に捉え、そこから得られる知見を瞬時に活用できれば、顧客はより良い体験を得られる。そのために必要だったのが、リアルタイム性のある顧客データプラットフォームだった。
Salesforce CDPには、過去の履歴を含め顧客に関するあらゆるデータが入る。それらを担当者が使いやすいよう顧客ごとに整理し、リアルタイムで見られる。「Salesforce CDPは、SalesforceのCRMトランザクションデータベースの横にあるような構成となります」と松尾氏は言う。