日本オラクルは3月1日、KDDIが「Oracle Database」などのオラクル製品を導入し、auブランドの決済およびポイントサービスのシステム基盤を刷新したと発表した。今後、「Oracle Cloud Infrastructure（OCI）」を活用し、システム拡張、BCPサイト構築などを進めていくとしている。
KDDIは、「au経済圏」の拡大を目指し、スマホ決済サービス「au PAY」や「au Ponta ポイントプログラム」の継続的なアップデートを進める方針だという。現在、au PAY会員数は約3100万人にのぼり、キャッシュレス化やモバイル決済の浸透などを背景に拡大している。こうした市場環境の変化に対応するとともに、市場や顧客の新たなニーズを満たすサービス開発に適したシステム基盤を整備することが、同社にとっての喫緊の課題となっていた。
そこでKDDIはOracle Databaseを採用し、au PAYとau Ponta ポイントプログラムのシステム基盤を刷新。クラスター環境を構成する「Oracle Real Application Clusters」やデータベースの自動同期機能を提供する「Oracle Data Guard」も使い、増え続けるデータ処理量に対応できる性能と可用性を実現した。
また、スムーズなデータ移行・同期を可能にし、他社データベースにも対応する「Oracle GoldenGate」により、サービスへの影響をゼロにするという目標の下で旧システム基盤からの切り替えを行ったという。新システム基盤は、au PAYが2022年6月、au Ponta ポイントプログラムは2022年8月に稼働開始している。COBOLからJavaへのコード切り替えも含め移行を1年で完了、新サービスのリリースや更新もサービスを止めずに短時間で実行できたとしている。
さらに、KDDIはこれらのシステム基盤においてオラクルのクラウド・ソリューションの採用も随時拡大していく方針だ。au Ponta ポイントプログラムではBCPサイトの基盤にOCIを採用し、2023年8月に運用開始の見込みだという。au PAYのシステム基盤では、構築済みのオンプレミスでのBCPサイトに加え、他システムとの連携に関する処理のオフロードや決済に関わる取引明細情報の電子保存、データ分析などを担うサブシステムでOCIを活用する計画で、2023年4月に稼働開始を予定している。
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