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「多様な人材こそ宝」CISSPを持つ元航空自衛隊女性隊長が説く、セキュリティリーダーが持つべき矜持


 近年高まるサイバー脅威の背景からセキュリティ人材への需要が高まる一方で、特に不足しているのがセキュリティリーダーの存在だ。サイバー人材はどうしても技術寄りに注目が集まりがちであり、そのため「セキュリティリーダーは技術にも特に精通しなくてはならない」という認識も強い。しかし「セキュリティリーダーは、浅く広く見れることも才能」だと話すのが、サイバージムジャパンのグローバルトレーニング事業部長を務める佐々木千尋氏だ。佐々木氏は元航空自衛隊のサイバー部隊の隊長も務め、CISSPの有資格者ながらも、部隊配属まではサイバーに関する知識はなかったという。佐々木氏が語る、セキュリティリーダーが持つべき矜持とは。

セキュリティの仕事が好きだったからこそ、官から民間へ

──佐々木さんの現在のお仕事について簡単に教えてください

 サイバージムジャパンではグローバルトレーニング事業部長を担当しておりまして、仕事内容としては本社イスラエルとの調整業務や、会社の事業をアジアへと展開するようなお仕事をさせていただいています。

サイバージムジャパン グローバル事業部長 佐々木千尋氏
サイバージムジャパン グローバル事業部長 佐々木千尋氏

 サイバージムジャパンは2018年に創業した会社でして、日本のセキュリティを強化するような目的で創業しております。アリーナと呼ばれるトレーニング施設が、7月に開設の沖縄アリーナを含め、国内主要都市に10ヵ所あります。トレーニング内容としては、APT攻撃に対する実践的な対処方法について学べる環境や、様々な教育プログラムも用意されており、企業のセキュリティ担当や開発担当者、あとは経営者層に向けたリーダーシップトレーニングも提供しています。

 元々弊社の発祥は、イスラエル電力公社のサイバーセキュリティトレーニングやSOCを担うような会社として誕生した背景があります。このイスラエル電力公社というのが世界で最もサイバー攻撃を受ける企業の一つでして、年間4億回のサイバー攻撃を受けています。それにもかかわらず電力をきちんと提供している要因というのが、この企業のサイバーチームがトレーニングをし、きちんとその攻撃に対処できているためと言われています。

──防衛大学校から航空自衛隊の幹部としてのキャリアを歩まれて来ましたが、なぜ民間へ移られたのでしょうか

 やはり自衛官という立場ですと、特定の分野へ常に携わるというのがなかなか難しく、特に幹部自衛官の場合、どうしても2年から3年に1度異動する必要があります。さらに、その異動先は自分の専門分野とは限らない配置になったりすることもあり得ます。

 私がサイバーに携わり始めたのが2015年ごろ。それ以前でも情報通信分野に携わってはいたものの、セキュリティに特化して従事したのがそのころになります。その年から幸いにもサイバーセキュリティ関連の配置が続き、システム監査隊長として航空自衛隊のシステム通信隊に配属になりました。そこでは組織全体のSOCやCIRTを担当する部隊であるほか、セキュリティ教育やシステム監査なども担当します。

 こうした形でサイバーの世界に携わるようになり、自分自身サイバーセキュリティという仕事がすごく楽しいという思いがありました。もっとも、私はサイバーの知見があったわけではありませんし、技術的にも尖った能力があったからサイバー部隊のリーダーを務めていたわけではありません。

 ですが幹部自衛官というマネジメント層として、セキュリティマネジメントや人材育成、グローバルな分野に今後も携わっていきたいという思いを、日々の業務で抱いて行きました。

 そこでちょうどサイバージムジャパンからお声をかけていただき、今に至るという形です。元々、自衛官時代にサイバーの仕事でイスラエルへ度々訪問していたことから弊社自体の存在は知っていたのですが、勇気を出して飛び出したというのが退官のきっかけですね。

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官と民の循環が、セキュリティ人材を強くする

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この記事の著者

西隅 秀人(ニシズミ ヒデト)

元EnterpriseZine編集部(2024年3月末退社)

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