SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2025 春の陣(開催予定)

2025年3月18日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

週刊DBオンライン 谷川耕一

加速するエンタープライズITの「生成AI」競争──主要ベンダーの思惑と動向を探る

 OpenAIに巨額の投資をおこなうMicrosoft、対抗する対話型AIサービスのBardをリリースしたGoogle、長年のAIの歴史を持つIBMなどエンタープライズITベンダーの競争は一見、激化しているように見受けられる。現状はお祭り騒ぎの様相を呈しているが、自社製品やサービスに生成AI(ジェネレーティブAI)の技術を取り込んでいるITベンダーは、意外に冷静に対処しているように見える。主要ITベンダーの生成AIの戦略が見えつつある現在、各社の動向と思惑を整理して見ていこう。

生成AIのスタートアップ企業の買収が加速する

 OpenAIと強い結びつきのあるMicrosoftや、AI技術の研究開発に取り組んできたGoogle、IBMなどは、独自の生成AI技術を提供し、それをサービスとして展開する動きを加速している。その上で既存製品やサービスに、積極的に生成AIの技術を組み込み、ユーザーインターフェイスの革新、コンテンツの自動生成などにいち早く取り組んでいる。

 NECや日立などの日本の大手IT企業には、独自でAI研究をしてきた歴史がある。そのためこれらの企業にも、独自の生成AIサービスを提供する動きが見られる。とはいえそれでMicrosoftやGoogleに対抗するのではなく、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceなどを企業が活用するのを支援するサービスも同時に提供する。支援サービスを実施する際には、自社で生成AIを開発してきた知見を生かし、どのようなデータを学習させればビジネスで求められるバイアスなどを効率的に取り除けるかなどのノウハウが1つの強みとなる。

 ChatGPTが一気に市場で拡大したこともあり、日本のSI企業などでもまずはOpenAIを顧客企業が利用できるようにするところからアプローチしている。とはいえMicrosoftやOpenAIだけに拘るのではなく、Google CloudのVertex AIなども適宜選択できるようにするオープンなアプローチをとるところが多い。現状ではOpenAIが市場をリードしているが、今後のビジネス展開の先行きはまだ不透明。なので、どの技術が台頭してもそれに対応できるようにしているのだろう。

 既に市場には、大規模言語モデル(LLM)を使ったサービスを展開するスタートアップ企業がたくさんある。そして有望企業の買収も始まっている。Databricksは、2023年6月にLLM開発の「MosaicML」を13億ドルで買収することを発表している。SnowflakeApplicaの「Document AI」を同社のプラットフォームと統合することを明らかにしており、5月には検索エンジンにLLMを組み込んだソリューションを展開する「Neeva」の買収も発表している。

 Oracleは、カナダのトロントのスタートアップ企業「Cohere」と連携する。Cohereの技術を取り込み、生成AIのクラウドサービスをOCIで展開する。CohereにはOracle、NVIDIA、Salesforce Venturesなどが投資していることもあり、注目の生成AIベンチャー企業の1つとなっている。シスコシステムズは5月に、セキュリティ領域でLLMを活用する「Armorblox」を買収すると明らかにした。他にも画像生成AIなどさまざまな領域の生成AIが買収されており、今後さらにこの動きは加速しそうだ。

次のページ
強力なデータベースと生成AIを組み合わせるのは必然

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
週刊DBオンライン 谷川耕一連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/18047 2023/07/11 09:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング