これからの働き方はやっぱり出社!?
2020年以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、多くの企業でリモートワークが導入されました。しかし、感染拡大も落ち着いたことで“働き方の変化”が再び起こっているようです。
識学が2023年3月に実施した調査によると、現在の働き方として主流となっているのは出社とリモートワークの“ハイブリッド型”。リモートワークの頻度は週に1〜2日程度が半数以上を占める結果となりました。ハイブリッド型とはいえ、リモートワークの頻度は比較的少なく、まだまだ出社の割合が高めの企業が多いようです。
また、出社とリモートワークでは、どちらが作業効率が良いと感じるかを会社員に聞くと、「リモートワークの方が作業効率が良い」と回答した人が半数を占める結果となりました。しかし、経営者役員の43%が「出社の方が良い」と回答。会社員の回答とは食い違う結果となりました。さらに、経営者役員のおよそ5人に1人が「コロナ禍でリモートワークを導入したが今後は徐々に出社を増やしていく予定」と回答しており、これからの働き方はコロナ前と同様の“出社中心”に切り替わっていくと予想されます。
折衷案としてのハイブリッド型
経営者役員が出社を推奨する理由としては「コミュニケーション」が挙がりました。これに関しては、会社員を対象にした設問でも同様の結果が出ています。やはり、出社して互いの顔を見られる環境であれば、部下からすればすぐに相談できて安心ですし、上司からしても誰が何をしているのか把握でき、マネジメントがしやすいと感じているのかもしれません。特に、現在管理職になられている方の多くが、“島型形式のオフィス”で部署内外のメンバーと連携を取ってきたからこそ、それができないことへの不安もあるのではないでしょうか。また、コミュニケーションのようなソフト面だけでなく、印刷やコピー、資料の保管、空調・通信面などハード面でも働きやすい環境が整っていることも出社のメリットの1つです。
一方で、出産や育児、介護など様々なライフステージに合わせた働き方を認め、推奨していくためにリモートワークを推奨する経営者役員もいました。前述した通り、会社員の約半数が「リモートワークの方が作業効率が良い」と回答しており、この理由としても「ライフワークバランスの実現」が挙がっています。また、ライフステージに合わせた働きやすい環境の整備は“人材の採用”という観点でも効果があると考えている経営者役員もいました。
リモートワークは便利だけれども、顔を見てマネジメントできないことに不安がある。一方で、出社のみにすると多様な働き方を認めることが難しく、人材の流出につながりうる。これらの悩みの折衷案として、現在多くの企業でハイブリッド型が取り入れられていると考えられます。