プロジェクト始動、欠かせない「ルール」とは
プロジェクトには社外から参加したり、年齢が違ったり、経験差があったり……様々なバックグラウンドを持ったメンバーが集まります。本稿では、このような多種多様な方が集まるチームにおいて、初めてのプロジェクトマネージャーが何を押さえておくべきなのかを紹介します。ベテランのプロジェクトマネージャーの方も振り返りとして参考にしていただけますと幸いです。
1. プロジェクトのゴール設定を行う
プロジェクトを進行する上で欠かせないことに「責任と権限の一致」があります。プロジェクトマネージャーに求められている責任は、プロジェクトを成功させること。正確に表現すると、“プロジェクトを成功に導くために管理する”ことが責任です。よって、まずはプロジェクトの成功とは何かを定義する必要があります。
ありがちな失敗としてプロジェクト開始前に成功とは何かを明確にできず、「このシステムを来年あたりまでに運用できるようにしよう」といった期限や状態が曖昧なまま見切り発車をするケース。これでは、ズルズルと時間ばかり浪費してしまい、いつまで経っても運用フェーズにたどり着きません。
- 「いつまでに」「どの様な状態を果たすこと」がプロジェクトの成功なのかを定義する
- 1を構成する要素を分解し、各チーム・メンバーの成功を「いつまでに」「どの様な状態を達成するか」を定義する
まずは上記2点を定義し、プロジェクト全体の成功、チームの成功を定義していきます。このとき、新任のプロジェクトマネージャーのみで行うのではなく、プロジェクトオーナーとのすり合わせも忘れずにしておきましょう。
また、2において設定した各チーム・メンバーの「いつまでに」「どの様な状態を達成するか」をプロジェクトメンバーに見える形にすることで、“認識させる”こともプロジェクトリーダーの重要な役割です。
2. 自身の権限を確認する
プロジェクトのゴールを設定することで責任を明確したら、次は権限を明確にしていきます。プロジェクトオーナーと「成功とは何なのか」をすり合わせができたならば、その成功へ向けた進捗管理のために必要な権限をプロジェクトオーナーに上申しましょう。このとき必要なことは、常に「〇〇という責任を果たすために△△という権限は必要です」といったように“責任と権限をセット”にして相談することです。
また、プロジェクトマネージャーやメンバーは、本来やるべき仕事にプラスしてプロジェクト業務を担っていることが多いです。プロジェクト業務が本来の業務を行う際の免責になる可能性を感じたときには、すぐに直属の上司に懸念を報告する必要があるでしょう。