なぜ、成長続けるSaaSのデータ基盤に「Snowflake」を採用した?
リリース当初から堅調な成長を見せているConataだが、そこを支えるデータ基盤には「Snowflake」が採用されている。当然ながら同サービスはフライウィールの核と言えるものであり、それだけに様々なクラウドベンダーが提供するデータ基盤を利用してきた経験値もあるだろう。試行錯誤する中で前田氏が気にかけていたのはコンピューティングリソース。取り扱うデータ量が増えていくにつれて、使い勝手が悪くなる場面も見受けられるようになってきたからだ。「物足りなさを感じることはもちろん、より細かい調整をしたいと考えていました」と前田氏。2020年頃にSnowflakeを試用して比較検討する中で、求める要件と合致していったと振り返る。
実際に、データ基盤の中心に置かれているのはSnowflakeであり、コンピューティングリソースの調整においても柔軟性が増しただけでなく、大規模かつ複雑な処理にも適切に対応できる“安心感”が得られたという。また、利用時間に応じた課金モデルがコスト面での効率性にもつながっており、セキュリティやデータガバナンスにおいても問題を感じないため「顧客のさまざまな要件に対応できる点が1番のメリットです」と評する。
さまざまな企業とのデータ共有を推進し、新たな価値を提供
前述したようなSnowflakeの利活用もあり、Conataによって小売業や流通業を始めとする多岐にわたる企業のビジネス成長を支援しているとして「Powered by Snowflake」というアワードをフライウィールが受賞した。前田氏は、「Snowflakeの新機能を利用し始めたばかりですが大変嬉しいですね。今後はより活用を加速させていく予定です」と述べると、まずはSnowflakeのデータ共有機能により、先にあげたKDDIとの連携を深めていくと言及。既に両社のエンジニア間では意見交換が盛んに行われており、社内でもSnowflakeに関する勉強会や資格取得の研修なども推進されているという。
また、Conataについては、従来から支援してきた小売りの領域だけでなく、サプライチェーンや物流、倉庫管理など、既存領域の枠を超えた展開が計画されている。前田氏は、「消費者が何を購入するかという予測が重要視されており、ECにおけるレコメンドや検索といった機能も活用されています」と説明すると、こうした顧客ニーズによりリアルタイムかつ適切に対応することが重要だとする。
「KDDIをはじめ、他社とのデータ連携を増やしていくことでConataというソリューションの幅が広がるでしょう。そうなれば、新たな顧客課題をどんどん解決していける。そうした未来を描きたいですね」(前田氏)