データ分析ツール同士だけど競合はしない
池田:こんにちは、データビークルの池田です。dataDiverという製品をはじめプロダクト全般のマーケティングを担当しています。リモートワークが当たり前の時代に社会人デビューを果たしました。本日は、お互いデータ分析ツールのマーケター担当として思うところを女子トークしたいと思います。
齋藤:ソニーネットワークコミュニケーションズの齋藤です。Prediction Oneという予測分析の製品の事例やウェビナーの作成、顧客育成のためのナーチャリングなどのマーケティング業務が主な仕事です。
池田:ソニーネットワークコミュニケーションズさんの製品と当社の製品とは、共にデータ分析の製品であり競合であるとみなされがちですが、お客様のニーズは微妙に違うと聞いています。Prediction Oneってどんな製品なのでしょうか?
齋藤:「AIの専門家でなくとも、AIの予測分析ができる」というのが製品コンセプトですね。データ分析ツールとしては使いやすさがポイントです。エクセルを扱える感覚で、データの予測分析が可能なんですよ。製品のリリース自体は 2019年度からでユーザーはマーケティング部や研究開発部門、製造本部などさまざまですが最近はDX部門が多いですね。
池田:なるほど。当社の製品は主に、dataDiverというデータ分析ツールとデータのプレパレーション(事前準備)ツールのdataFerryです。AIというより、統計学をベースにした製品を提供しています。それとは別に、分析のためのデータセットを自動で生成する「dataExpress」という新製品を最近発表しました。ソニーネットワークコミュニケーションズさんと同じく、ユーザーはDX推進やマーケティング部門からが中心です。
また研修事業も手掛けています。データビークルだけでなく、他社のデータ分析製品も導入したけど使いこなせないというお客様が多いんです。リテラシーから教えてほしいというご相談を多く頂く中で、そちらの売上もどんどん増えてきています。今は製品と並ぶ事業の柱になっています。
齋藤:そうなんですね。当社でも、DX人材の育成やAI教育についてもよく相談を受けます。社内の研修や高校、大学などの授業に使われることもあって、教育関係の現場に取材に行くこともあります。
池田:私たちも同じようなお声をよく聞きます。具体的な課題を持った方々が研修に来られます。例えば、「節電をしたい」や「顧客のカード利用率を上げたい」といった具体的なニーズです。
齋藤:ちなみに、データビークルさんと言えば、副代表の西内啓さんが書かれた『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社)が有名ですよね。
池田:確かに、西内の著作に触発された方からもお問い合わせが多いです。「データによって意思決定できる人がDX人材」というのが当社の基本的な考え方です。「データサイエンティストとコミュニケーションが取れる人」が価値を持つということをお伝えしています。 Pythonとかの解析ツールではなくて、「解析単位とはなにか」「アウトカムは何か」、この2つと分析結果から得られた「説明変数」への対処の仕方を教えるんです。
齋藤:それは興味深い視点ですね。ツールベンダーとしては、どうしても技術や製品が先行してしまいがちですが、御社の場合は西内さんの考え方がしっかりあるのが良いですね。とはいえ製品ベンダーが行う研修や講座って、どうしても製品販売が目的というイメージで捉えられがちではないでしょうか?
池田:データ分析の演習そのものは弊社の製品を使うことはありますが、目的はデータを見る目や考え方なので、自社の製品を推奨することはありません。お客様からの相談に対しても、データの分析や活用には、どういう製品があるのかをご説明して、お客様によっては他社製品を進める場合もあります。御社のPrediction Oneをご紹介することもありますよ(笑)。
齋藤:ありがとうございます。当社の場合は、データによる予測・分析に特化していて、あまり高度な使い方を期待される場合には、他のツールのご利用をおすすめすることもあります。そもそも、市場にはデータ分析ツールがたくさんあるので、お客様にはわかりづらいのかもしれません。