キリングループのシステムを一手に担う
2007年2月に創立100周年を迎えたキリングループでは、ホールディングス制を導入し、経営体制の刷新を図った。その前年の2006年5月には「キリン・グループ・ビジョン2015(KV2015)」を発表。「9年後の2015年のありたい姿というグループビジョンが、描かれています」とキリンビジネスシステム(KBS)取締役社長の横溝治行氏は語る。
KV2015では、2006年時の売上高1.68兆円を3兆円に、また、海外売上高比率も2006年の18%から約30%伸ばすという到達目標が設定されている。ホールディングス制の導入も、KV2015が掲げるこの飛躍的な目標を達成するためである。
「1988年にキリンビールの販売戦略を担う会社として設立された」(横溝氏)キリンビジネスシステムは、特約店向けパッケージシステムの保守、運用を担当していたという。90年代前半からは、キリングループ各社のシステム開発・運用の受託を開始。98年にはキリンビール、2005年にはキリンビバレッジからシステム構築・管理業務を全面的移管されていた。
「2007年の新経営体制の下で当社は機能分担会社となりました。当社のミッションはグループ全体の情報システム機能を集約し、IT戦略策定から案件の実行までのITライフサイクル全般にかかわり、情報システムのガバナンスを通じたグループ情報戦略の全体最適を主導することです」と横溝氏は続ける。
「新体制となって2年半が経ちましたが、これまでのように事業会社から言われて作るという意識がまだ抜けていない社員も多い。この2年半で『キリンビジネスシステムは、グループの経営戦略を踏まえて、情報技術を活用・推進し、各社のビジネスの発展に貢献する』という経営理念を浸透させ、意識改革をすることに注力してきました」