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オペレーショナルな現場にこそBI が必要各ベンダー製品の特質を踏まえた総合力こそBI 提案の鍵

ミドルマネージャーこそBIを活用すべき

 とはいうものの、BIシステムやデータマイニングによる意思決定の精度や信頼性の問題は無視できない。システム化すれば意思決定がうまくいくというほど単純ではない。非常に難しい問題だが、元にするデータの精度が高く、適用するモデリングが正しければ、BIによる意思決定の信頼性は確保できると思っている。SPSS にしても、データマイニングの本質は統計解析にある。最先端の統計解析はむしろ学術分野の領域であって、経営者でそこまで判断できる人は少ない。

 BIによる具体的な行動を含む意思決定を実現するためには、このようなデータマイニングツールの上にかぶせるユーザーインターフェイスが必要になってくる。我々のような独立系のベンダーは、ここも付加価値を提供できる領域だと思っている。メーカーのOLAPツールの結果を、もっと一般の人にわかりやすく見せるような仕組み、ツールも研究している。

 さらにいえば、ダッシュボード機能の色分けによるワーニング機能など、実は経営層よりもより現場に近いミドルマネージャークラスにこそ、必要な機能で活用すべきと考えている。ジールでは、現場での意思決定や行動に積極的にBIを展開したいと思っている。それは、実際に営業系、マーケティング系の現場では売上を伸ばしたい、あるいは売上を作りたい(市場開拓)といったニーズがあることを感じており、それには、コストダウンや効率化だけでなく戦略的な行動に結びつく支援が必要だからだ。

 オペレーショナルの現場では、PDCA サイクルの中で、いかにベストプラクティスを実際の行動に組み込んでいくかが求められている。言いかえれば、不況下でも伸びている企業である、アマゾンやユニクロなどは、それを実践しているからだと考えられる。マネジメントからオペレーションまでリアルタイムな意思決定とベストの行動を実践することが重要なのである。

 現在ジールではBIについて、経営層向けのマネジメント系と、より現場に近いオペレーショナル系に分けた事業戦略をとっている(図1)。マネジメント系には、業績管理・予算編成、経営計画、KPI マネジメント、HRM(Human ResourceManagement)などのためのBIシステムが含まれる。ソリューションとしては、「myNavigator」(図2)をベースとした戦略、財務、人材、目標管理などのシステムを統合的に管理するものがある。オペレーショナル系には、原価管理、商品分析、マーケティング分析、広報(宣伝)支援、営業支援(SFA)、顧客管理(CRM)などフロント業務を統合する「NetProduce」(図3)というソリューションを用意している。

 オペレーショナルBIでは、原価管理と商品見込管理など利益や売上に直接かかわる部分への分析ニーズが高い。このように、企業のさまざまな業務を水平統合するようなBIの戦略をとっているわけだが、オペレーショナルBI を強化し、現場でリアルタイムな意思決定ができるかが、BI とユーザー企業双方のキーポイントになると見ている。

図1:マネジメント系とオペレーショナル系に分けた事業戦略
図2:経営戦略ソリューションツール「myNavigator」
図3:データウェアハウスマーケティングソリューション図

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総合的なBI 基盤能力が問われている

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この記事の著者

山本秀典(ヤマモトヒデノリ)

株式会社ジール 代表取締役 & CEO

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https://enterprisezine.jp/article/detail/2033 2010/04/15 07:00

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