2024年10月30日、チューリング(Turing)は専用計算基盤「Gaggle Cluster」(ガグルクラスター)構築を完了したと発表した。
同社は2021年に創業して以来、累計調達額は60億円に到達。自動運転レベルの最高水準にあたる、レベル5での完全自動運転を目指すとしており、自動運転のための専用GPU計算基盤としてGaggle Clusterを構築したという。同基盤は、大規模AI学習に特化したものであり、96基のNVIDIA H100 GPU、1PiBストレージなどを備えており、大容量の走行データを蓄積・高速に学習可能。約1ヵ月半前から稼働しており、既に自動運転モデル「TD-1」による実車検証を10月より開始しているとのことだ。
TD-1は、エンドツーエンドモデルとして設計されており、複数カメラからの入力値をニューラルネットワークによって分析・予測することで、車体の制御を行うという。2025年12月には「Tokyo 30」と題した実証実験を予定しており、東京都内の複雑な道路を30分以上介入なしで運転することを目指すとした。
また、今回のGaggle Cluster構築においては、NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)が構築を支援しており、NTTの大規模言語モデル「tsuzumi」を稼働させた経験を活かし、GPUプライベートクラウドを提供したという。「どこにデータセンターを設けるか、どのようにケーブリングするか。当社の知見が活きている」と同社 代表取締役社長 工藤潤一氏。NVIDIAとのコネクションを活かし、周辺機器を含めて迅速に調達できたと強調する。
なお、NTTグループのCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)である、NTTドコモ・ベンチャーズ(以下、NDV)は、2024年4月にチューリングへと出資をしており、同社 代表取締役社長 安元淳氏は「3年後、5年後、まったく違ったBtoCサービスを共に提供できるのではないか」と期待を述べる。
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