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及川卓也氏×横道稔氏が語る、「なんちゃってDX」に陥りがちな日本企業でリーダーが取るべき姿勢とは

外部登用されたIT人材を「お手並み拝見」する悪しき文化を解体できるか

企業が「なんちゃってDX」に陥る要因とは?

 では、組織をプロダクトマネジメント中心へと変革させるにはどうすべきか。横道氏は、3つのポイントを挙げる。

 1つ目は「作り方を変える」。価値のあるものを、頻繁にリリースできるサイクルを作り、かつプロダクトを作った後にもその効果や価値を計測できる仕組みを構築するという考え方だ。言い換えれば、アジャイル的な開発へのアップデートである。

 2つ目は「問題解決の方法を変える」、3つ目は「解くべき問題の決定方法を変える」であり、両者は密接な関係にある。横道氏は、一般企業における従来のIT開発は「上層部が『こういう市場がある、だからこうしたものを作るべきだ』という形でロードマップを作成し、それに従って開発していた」と表現し、そのようなやり方ではイノベーションは生まれないと続ける。

 「リーダー層が行うべきは、あくまで『戦略的背景』と『解くべき問題』の提示だと考えています。そして、問題の解決方法は、開発チームの裁量にゆだねることが大切です」(横道氏)

 対談の後半、及川氏はDX推進における日本の現状について言及。「DXとは何か」という問いに答えられなかったり、DXで成し遂げたいことを尋ねた際に「今からそこを決めていく」と答えたりする人が多いという。同氏は、こういった状況を「『なんちゃってDX』の代表例」だとした。

 また、なんちゃってDXに陥る要因として、及川氏は“英語やカタカナの多用”という点を指摘。意味が曖昧になることから、明確な理解や目標付けができない環境が生じているのではと考察した。

 「上記の理由から、私はDXを『デジタル変革』と表現したいです。では、デジタル変革とは何か。テクノロジーはあくまで手段ですから、それを活用して変革すること。人と組織を変化させることに向き合う。これこそが、真の意味でデジタル変革、DXだと考えています」(及川氏)

 横道氏は、経済産業省の『DXレポート2 中間取りまとめ』[1]で提示されているDXの3段階を紹介。アナログや物理データをデジタルデータ化する「デジタイゼーション」、個別の業務や製造プロセスをデジタルに置き換える「デジタライゼーション」と、顧客起点の価値創出のための事業やビジネスモデルを変革する「デジタルトランスフォーメーション」の3段階があるとして、最終的な目的は3段階目のデジタルトランスフォーメーションを通し、会社とビジネスを変革することだと話す。

 「デジタイゼーションとデジタライゼーションは地続きのものですが、3段階目は前段階を踏まずとも、成し遂げられます。たとえば、既存プロセスのデジタル化は進んでいない場合でも、新規事業を立ち上げて、そこでDXを出島的に進めることはできるはずです」(横道氏)

[1]DXレポート2 中間取りまとめ」(2020年12月28日, 経済産業省)

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巷にはびこる、外部人材を「お手並み拝見」する文化

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この記事の著者

鬼頭 勇大(キトウ ユウダイ)

フリーライター・編集者。熱狂的カープファン。ビジネス系書籍編集、健保組合事務職、ビジネス系ウェブメディア副編集長を経て独立。飲食系から働き方、エンタープライズITまでビジネス全般にわたる幅広い領域の取材経験がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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