アステリアは11月27日、マレーシアのAI企業「Tapway」とともに開発した、ノーコードAI/IoT統合プラットフォーム「Asteria AIoT Suite」(以下、AIoT Suite)の日本語版を提供開始した。
新製品発表会で、アステリア 代表取締役社長 CEOの平野洋一郎氏は提供するに至った背景を説明。総務省の「情報通信白書」(2024年7月)を引用し、世界のAI市場規模は今後も増加が見込まれ、5年後には100兆円以上になることを挙げた。市場規模が急速に拡大する理由として平野氏は「(AIの)社会実装が進む」と指摘する。続けて「5年後にはデータに基づいて、リアルタイムに判断して動いていく、人と機械が共存するデータ駆動型の社会が到来する」と話す。
その時に必要なミドルウェアとして欠かせないのがAIだ。ChatGPTをはじめAI活用は浸透しつつあるが、平野氏は頭脳の役割を果たすAIに加えて、目・鼻・口・耳・手・足の役割を担うIoTとの連携が進み、より独立した人間に近づいていくという。そうした状況に対応すべく同社は、2024年6月にTapwayと業務提携を結び、AIoT Suiteを共同開発してきた。7月に東南アジア向けに提供開始し、今回は日本語に対応してリリースとなる。
AIoT Suiteは、アステリアのデータ連携・活用サービス「Gravio」、Tapwayの推論作成AIサービス「SamurAI」に加えて、Gorilla Technologyの人物認識AIサービス「IVAR」を加えた3つのサービスで構成される。
AI推論モデルの構築から、データ収集、統合、管理、他システムとの連携、IoTを含めた様々な機器の操作をワンストップで、かつノーコードで実現できることが特徴だ。アステリア AIコネクテッド事業部長 垂見智真氏は「ポイントはオールインワンであること。ここには各種センサーも含まれるので、明日からできるようにしている」と付け加える。
会見には、Tapway CEOのChee How Lim氏も登壇。Tapwayは2014年にマレーシアで創業したAIソリューション企業で、画像認識技術とビッグデータ技術を活用し、自動化することに強みを持つ。同社の主力製品である「SamurAI」は、画像解析用プラットフォームの「SamurAI Copilot」と画像AIモデルをトレーニングさせる「SamurAI Central」で構成される。ショッピングモールや交通輸送、農業、製造業など様々な産業で採用されており、既に500以上の拠点で使われているという。たとえば工場であれば、ヘルメットを被っていない人がいた場合に、検知して上司に通告するとともに、アラームをあげることも可能としている。Chee How Lim氏は「(アステリアとの)コラボレーションについて今後、どの地域でもノーコードのAIoT Suiteが活用してもらえるようになれば」と期待を寄せた。
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