2025年2月17日、アクロニス(Acronis)は、データプライバシー調査にかかわる説明会を行った。
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同社は、2003年にシンガポールで設立されて、スイス・シャフハウゼンに本社を構える企業。祖業となるバックアップソリューションに加えて、近年はサイバーセキュリティ製品を展開している。アクロニス・ジャパンの川崎哲郎氏は、「ITを保護することは、事業継続を保護することにつながる。我々のユニークな点は、これを単一のエージェント、管理コンソール、ポリシーによって実現できることだ。単なるバックアップソフトウェアのベンダーではなく、事業継続を強力にサポートし、個人のデジタルライフを快適にしていく」と説明。NIST CSFを満たすような機能を備えており、法人・個人向けの他、サービス・プロバイダー向けに製品を展開している。
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また、アクロニスでは「Acronis Threat Research Unit」というサイバーセキュリティの専門組織を設けており、製品開発だけでなく、調査レポートなどを公表しているという。2024年10月から12月にかけて、同ユニットはデータプライバシーにかかわる調査を実施。米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、日本、ブラジルの8ヵ国を対象に行われた。
同調査ではグローバルの64%、日本の55%がデータプライバシーにおける最大の懸念が「データ侵害」にあると回答。「日本には他者を比較的信頼できる土壌があり、国民性なども調査結果に反映されているのではないか」とアクロニスのマグダヌロフ氏は述べる。一方、日本のデータバックアップに対する意識は、諸外国よりも低い水準にあるとも指摘された。
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また、データプライバシーを担保するため、一意の強力なパスワードや二要素認証(MFA)を導入している割合は低く、モバイルセキュリティのアプリケーション利用においても同様だとする。マグダヌロフ氏は「攻撃者はAIを用いることで、攻撃能力をスケールアップさせている。フィッシングメールの文面なども巧妙化しているため、強力なパスワードや二要素認証の利用はもちろん、適切なバックアップは欠かせない」と警鐘を鳴らす。
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特に企業のサイバーセキュリティ体制に目を向けると、複数のセキュリティツールが独立しているような“統合されていない”形態では不十分だとする。そこで単一のプラットフォームとして統合されたアクロニスの製品ならば、1つのインターフェースで管理できるだけでなく、さまざまなサーバーのワークロードに対応したディザスタリカバリが可能だという。「バックアップは静的なデータコピーであるが、ディザスタリカバリならば動的にコピーしているため、復旧作業の工数も分単位に短縮できる」とマグダヌロフ氏。とはいえ、相応のコストと工数が発生してしまうため、アクロニスでは価格などを抑えた形でSMB向けにも提供しているという。
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さらに「Acronis RMM」に話を向けると、脆弱性の診断からパッチ適用、モニタリングなど、すべてのコンポーネントを1つのコンソールに統合しているため、MSPのパフォーマンスも最大化できるとする。加えて、OT機器のバックアップとリカバリーにおける実績を紹介。最後に「(アクロニスのソリューションは)専門家だけでなく、ユーザー自身が解決できることを重要視している」と訴えた。
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