2025年3月12日、NTTデータは仮想化基盤の管理運用サービス「Prossione Virtualization」の提供に関する記者発表会を開催した。
同サービスは、オープンソースソフトウェアであるKVM(Kernel-based Virtual Machine)を利用した仮想化基盤を管理・運用するためのもの。管理をシンプルに実行できるツール「Prossione Virtualization Manager」を提供するほか、ツール使用時に出てくる技術的な課題をサポートするサービスも提供するとのことだ。

サービス提供の背景として、同社の冨安寛氏は「Webシステムで使用されるサーバーなどは、既にオープンソースのものが浸透しているのに対して、仮想化基盤はVMware製品などに依存し、システム主権が保たれていない状態にあった」と語る。今回、仮想化基盤のオープンソース化を目指し、同サービスの開発に挑んだという。
従来より、Linuxの中にはKVMが入っているが、本格的な商用システムでは活用されないという現状があった。その要因としては、KVMに多数の仮想マシンを管理する機能が不足していることが挙げられる。そうした懸念を払しょくし、安定したシステム運用を実行することを目指して、同サービスの研究・開発が進められたとのことだ。
Prossione Virtualizationの特徴は以下のとおり。
- ホストサーバー・仮想化マシンの一元管理:複数のホストサーバーや仮想マシンをWeb画面にて一元管理し、運用の煩雑さを解消する。また、管理用のインターフェースを2種類提供するほか、複数のゲストOSに対応可能
- 高度な運用作業の実現:高度な専門性を必要とする運用を画面から操作可能。仮想マシンやシステムなどを停止せずに、ホストのメンテナンス操作ができる。また、ホストサーバーの構築・アップデート作業を実行可能
- 高可用性構成を標準的に実現:ホストサーバー故障時も仮想マシンを自動復旧する機能を提供し、作りこみの手間を解消する。また、仮想マシンによる負荷を制御するリソース配置・制限も可能
- 継続的なソフトウェアアップデート:定期的なソフトウェアアップデートによって機能を順次拡張し、より幅広いユースケースに対応可能。加えて、安定利用が重要視されるユースケース向けに、メジャーバージョンごとの長期サポートオプションを提供予定
サービスの提供は2025年7月を予定。今後は、順次機能のアップデートを重ねていくとしている。
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