対象を変わらない目的でとらえるそれが「使えるモデル」への第一歩
それでは、組込みの分野で「使えるモデル図」を描くにはどうしたらいいでしょうか。まずは、制御装置があろうがなかろうが「変わらない目的」を捉えることが重要です。そして、その目的を徐々に手段レベルに落としていく階層化を行いましょう。
例えば、自動販売機なら「商品販売」が目的です。プロセスは「お金をもらってその金額に見合った商品を渡す」と言い表すことができます。よく考えてみると、これはかつて駄菓子屋のおばちゃんが行っていた業務ですよね。今でこそ自動販売機がその実行主体となっていますが、プロセス自体は本質的に変化していないわけです。
このように、具体的な実装形態にとらわれずに「変わらない目的」に着目すると、あとあと長く使えるモデルを作成できます。これは、製品ファミリーの多様化や派生化が進んで、その寿命が延びつつある組込みソフトウェアの分野では非常に重要なことです。