データ分析の効率化を実現するTableau Marketplaceの活用と共有機能
続くステップでは、キャンペーンをどれだけ効果的に実行しているかを視覚化する。ゼロからダッシュボードを作成しなくても、Tableau Marketplaceの中を見れば、さまざまな分析アセットが揃っている。Tableau Marketplaceは、データに関するベストプラクティスのギャラリーのようなものだ。例えば、「パフォーマンスの概要」を選択すると、Data Proはその中の情報を利用し、適切なメトリクスを提案してくれた。CMOの意思決定に役立つものができたら、Tableau Marketplaceを使って社内関係者に共有する。また、Tableau Marketplaceを利用することで、社外のデジタルエージェンシーともダッシュボードの内容を共有できる。気になるセキュリティに関しても、他のキャンペーンのデータを外部から見ることができないよう、設定した範囲のみにアクセスを制限できるようにした。
2つ目のConciergeは、ビジネスに関する質問に答えてくれるエージェントである。ホテルのコンシェルジュと同じように、自分が何をしたいのかを説明すると、Conciergeは組織の中のあらゆるデータソースから、データに基づいて答えを返してくれる。例えば、「このキャンペーンにおけるターゲットセグメントと最適なチャネルの組み合わせを知りたい」と質問した。Conciergeは質問の意図を解析するため、セマンティックレイヤーを参照し、クエリーを作成して実行し、目的のデータを得たら回答を生成し、それを示す、ここまでのプロセスを自律的に実行してくれる。また、ジョーンズ氏は「Conciergeの出力結果が信頼するに足るかを証明するため、結果には必ず出典元が表示される」と説明していた。
そしてInspectorは、Tableau Nextで利用できる3つ目のエージェントである。Conciergeにはさまざまな質問を投げかけることができるが、ビジネスユーザーが常に自分のやるべきことを言語化できているとは限らない。質問をしない限り、インサイトを見逃すリスクがある。これは既存のBIが持っていた大きな問題だ。Inspectorは、すべてのデータから特有のパターンを発見し、適切なタイミングで、適切な人に見逃している可能性の高いインサイトを共有してくれる。
キャンペーンを開始した後、重要なメトリクスの動向に誰かが常に目を光らせていればいいと考えるかもしれない。しかし、少ない人数で高い成果を出すことが求められる中、専属のスタッフを配置することは現実的ではない。多忙に紛れてタイミングを見失うこともある。Inspectorであれば、販売目標の35,000足を達成したら、それを関係者に通知してくれる。デモでは、まだマーケティング予算が25,000ドル残っていることも示されていた。この結果を見て、ターゲットセグメントごとに最適なチャネルを選ぶ意思決定が正しかったとわかり、目標の上方修正と、次の計画の策定、実行へとレベルアップが可能になる。
自律型分析は、より良いビジネス成果の獲得を促進するものであるべきだ。Data Pro、Concierge、Inspectorの3つのエージェントは、組織がデータドリブン経営を実践するスキルを引き上げてくれる。