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MDM は企業に「分析」を根付かせる「手段」の一つ目的にしてはいけない

企業が所有する様々なデータを、業務遂行の基礎となるマスターデータとして集約し、管理するMDMに関心が集まっている。ただ、そもそものMDMに取り組む目的は、単にデータを集めることではなく、データを統合し、活用することで企業の収益に何らかの形でポジティブな影響を与えることのはずだ。どれだけ手間をかけてデータを統合しても、データはデータでしかない。そこから先、どう活用していくかということと併せてプロジェクトを進めなければ、結局ROIのRが見えないままになりがちだ。そこでSASが提唱しているのが、「データの統合」から入るのではなく「データの活用プロセス全体」を主眼とするアプローチだ。

活用につながらないデータ統合に意味はあるか?

 散在するデータベースがBIの活用を阻み、運用コストを押し上げている。そこでデータ統合という枠組み、特にMDM(Master Data Management)が注目されているが、どのようなデータが必要なのかを明確にすることなしに「とりあえず整備しておこう」という理由で、データ統合から入るアプローチはお勧めできない。それは、最初から「使われるかどうか分からない」と無駄を認めているからだ。

 ビジネスがダイナミックに変わり続ける中で、ソースとなるデータの対象範囲も広がっている。データ統合は、何をもって完成とするのかを定義することが非常に難しい。特に、現在求められているリアルタイム分析では、日々上がってくるデータに対して、施策と結果の最新の相関関係を求めていく。

 当然、マスターデータも一回作って終わりではない。外部環境が劇的に変わっていく中で、用意できるデータソースも必要とされるデータも変化する。当然、マスターデータも対応していかなければならない。そういった状況に対して、どこから手をつけ、どう進めていくか悩むようなら、まずはデータ収集から分析までの一連のプロセスをカバーした形で小さく始めてみることを勧める。

 分析を主眼としてもデータ統合は避けては通れないが、健全なプロジェクト運営では、適切なROIの創出がポイントになる。そのためにはインフラとして一気に完成を目指すのではなく、データの活用シーンをきちんとウォッチしながら、少しずつデータ統合レベルを高めていくことが必要だと考える。データは、集めただけでは素材でしかない。

 そして、こういったシステムなりプロジェクトの目的に照らし合わせるなら、必要なデータの統合・整備レベルは、分析・活用要件が満たせるレベルであればいいはずだ。言い換えれば、必要なデータ統合レベルは分析・活用要件が規定する、ともいえる。つまり、データの収集、分析、活用はセットでなければならない、というのがSAS の主張だ(図1)。

 ところが多くの企業では、収集はIT 部門、分析はユーザー部門というように、それぞれ役割分担してしまっていることが多く、IT 部門は膨大なコストをかけてデータ基盤の整備だけに注力しがちだ。その一方で、ユーザー部門でどういった形でデータを活用しているかについては、あまり議論されず、情報活用のインフラという視点では片手落ちであるようにみえる。誤解を恐れずにいえば、データを適切に活用できるのであれば、データがきれいに統合されていなくてもかまわないのではないだろうか。

図1:SAS による戦略情報基盤

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「活用」を主眼としたデータ統合プラットフォーム

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池本洋信(イケモト ヒロノブ)

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