日本市場に適合する品質を維持するためのさまざまな仕組み
三輪
日本品質を維持するという点で、日立システムアンドサービスでは、具体的にはどのようなテストを行っているのでしょうか。
野村
実環境の再現を意識したシミュレーションを中心としたものです。そのために自社開発のテストツールなども使っています。 SmartBitといったスイッチなどのベンチマークソフトをNet Screen に適用したりもしてます。
株式会社 日立システムアンドサービス
プラットフォームソリューション本部
サービスビジネス部 ネットワークプロダクト部(兼)
部長 野村雅光氏
三輪
ファイアウォール製品でSmartBit値を計測するんですか。すごいですね。ただ、セキュリティ製品の場合、負荷テストだけでなく、不正なパケットをちゃんと遮断するか、フィルタリングが適切に機能しているかといった検証も重要ですよね。
野村
はい。そのためのルールテストやパターンによるテストもレイヤごとに行っています。ユーザーに提供するソリューションについては、社内で3 つのフェーズに分けて品質や機能を管理しています。ひとつは、サーバー、ネットワーク機器、ソフトウェアなどの製品(プロダクツ)ごとのチェックです。次に、セキュリティ機能を含むネットワーク設計レベルでのチェックがあります。最後に、業務単位やシステムレベルでの設計や性能をチェックするフェーズです。
三輪
ディストリビュータである日立システムアンドサービスが、そこまで品質にこだわり、製品にかかわっていることに驚きます。日本市場の声を届けるために、なにか工夫されていることなどはありますか。
西條
ジュニパー本社との合意で、四半期ごとに日本法人の担当者とともに、機能や品質について定期的な提案や議論の機会を設けています。この会議では、5 つのテーマに分けた協議/合意事項があります。①新機能や製品の品質プロセス(TL9000)の適合チェック。②サポートに関する伝達のエスカレーションルートの整備。③トラブル/問い合わせに対する、進捗報告の徹底、④不具合/サポート/対策情報のドキュメント化と共有。⑤トラブルシューティング用のツール開発に関する情報の交換です。
三輪
なるほど。製品群の中に日本市場の声が組み込まれるような仕組みがあるというわけですね。これは、グローバルな企業において珍しいことであると同時に非常にすばらしいことだと思います。