多くの製品がリリースを控える2010年後半
基調講演では、直近で予定されている製品のリリースについても、いくつか言及された。主要なところでは、Lotus Notesのオンライン版「LotusLive Notes」がある。企業利用で実績あるLotus Dominoのメールやスケジュールを、ブラウザベースまたはNotesクライアントからも利用できるようになるという。第二四半期にはβ版が登場、2010年後半に製品発表の見通しだ。
また、LotusLiveは、自社保有型の業務システムやパートナー・サービスを「つなぐ」、統合プラットホームとしての位置づけを強化する。そのためのAPIが、2010年後半を目処にリリースされる。また、第二四半期にはセールスフォース・ドットコムやSkypeなど多数のパートナーソリューションとLotusLiveを統合する機能の提供開始も予定している。
これらのリリース計画とは別に、スライドライブラリー機能などIBMリサーチによる研究開発の成果をいち早く取り入れ、実証する場としてLotusLive Labsを発表。そして、業務プロセスへのコラボレーションを統合する業界別アプローチとして、Collaboration Agendaを提案していく。
進化を続けるLotusソフトウェアが目指すもの。それを具現化したものがProject VULCANと呼ばれる計画だ。Continuity(継続)、Convergence(統合)、Innovation(革新)、New Opportunities(機会)をキーワードとして、数年以内のリリースを目指して開発が進められているという。このプロジェクトが完了すると、既存アプリケーションの境界を越え、ユーザーが単一の画面をベースとして、統一された操作性の中であらゆるビジネス活動を完結できるようになるという。講演中に上映されたデモ映像では、電子メールコンテンツをドラッグ&ドロップでフォルダ移動させたり、あるいはキーワードをもとに全社システム上から自動的に情報を収集し、テキストやビデオ、ボイスチャットを行う機能などが紹介された。
ポーリー氏は約1時間の講演を「IBMが世界をスマートにするのではない。みなさんの会社が世界をスマートにするのだ。ぜひ御社のビジョンをIBMに聞かせてほしい。それがIBMの課題となる。私たちは御社の企業を変革するために存在している」と締めくくった。