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Jagu'e'r発!Gemini活用大全

放送局での業務自動化に「Gemini」が大活躍──「AI関数」によるデータ分析/アプリ開発の民主化

#5:GeminiによるGoogle スプレッドシート / AppSheet内製アプリの機能強化

AppSheetにGemini搭載で「アプリ開発の民主化」を後押し

 ノーコードで業務アプリを作成できるAppSheetでは、Geminiの力を借りて、アプリ開発そのものと、アプリ内でのAI活用ができます。本章では、その2つの側面を見ていきましょう。

1. AIによるアプリ作成:自然言語でアイデアを形に

 AppSheetの最も画期的な機能の一つが、自然言語で作りたいアプリの概要を伝えるだけで、AIがアプリの雛形を自動で作成してくれる機能です。

画像を説明するテキストなくても可

図4:「Start with Gemini」を選択してアプリ作成を開始する画面

[クリックすると拡大します]

 従来、業務アプリを開発するには、現場の担当者が要件定義書を作成し、IT部門と何度も打ち合わせを重ね、数週間から数ヵ月の開発期間を要するのが一般的でした。しかし、Geminiが統合されたAppSheetでは、そのプロセスが一変します。

 たとえば、次のように、現場の技術担当者が実現したいことを説明するだけでいいのです。

 「番組制作で使うカメラやマイクなどの機材貸出管理アプリが必要です。使用したい機材、利用する番組名、貸出日と返却予定日を記録できるようにしてください。機材リストには管理用の写真も登録したいです。技術部の管理者が、全機材の貸出状況を一覧で確認できるダッシュボードも必要です」

画像を説明するテキストなくても可

図5:AppSheetでプロンプトからアプリの構造が自動で提案される

[クリックすると拡大します]

 すると、Geminiが必要なデータテーブル(この例では「貸出記録」「スタッフリスト」「機材マスター」など)の構造を設計し、貸出予約や写真のアップロード機能、さらには管理者向けのダッシュボードまで備えた、すぐに動かせるプロトタイプをわずか数分で作成してくれます。

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図6:生成されたアプリのプレビュー画面

[クリックすると拡大します]

 これまで専門知識が必要だったアプリ開発の最初のハードルが下がります。アイデアさえあれば誰でもすぐにプロトタイプを作成でき、あとは簡単なカスタマイズを加えるだけで、現場で使えるアプリが完成します。IT部門に頼ることなく、業務を最も理解している現場の人間が自らツールを改善していく。まさに「アプリ開発の民主化」を実現する機能と言えるでしょう。

2. AIタスク:アプリ内でAIが情報を整理・仕分けする能力を活用する

 作成したアプリ、あるいは既存のアプリに「AIタスク」を設定することで、これまで人間が手作業で行っていたデータ入力を、AIがその能力を使って賢くサポートしてくれます。ここからは、より一歩進んで、AIタスクをアプリに組み込む具体的な手順を見ていきましょう。

情報の抽出(Extraction)

 番組制作の経費精算で、アシスタントディレクター(AD)がロケ先で受け取った大量の領収書をスマートフォンで撮影し、AppSheetアプリにアップロードするシーンを想像してみてください。AIタスクを設定しておけば、AIが画像から「支払日」「支払先」「合計金額」「カテゴリー」といった情報を自動で抽出し、経費精算アプリのデータとして登録してくれます。手入力の手間とミスから解放されるのです。

 まず、AIタスクの土台となるアプリをスプレッドシートから簡単に作成してみましょう。「ID」「支払日(Date)」「支払先(Payee)」「金額(Amount)」「カテゴリー(Category)」「領収書写真(Receipt_photo)」からなるスプレッドシートを用意し、「拡張機能」メニューから「AppSheet」>「Create an app」を選択します。

画像を説明するテキストなくても可

図7:スプレッドシートからAppSheetアプリを作成する

[クリックすると拡大します]

 これだけで、スプレッドシートをデータベースとしたアプリの土台が自動で生成されます。今回は、後でAIが分類しやすいように、「カテゴリー(Category)」のデータ型を、あらかじめ定義した選択肢から選ぶ形式(Enum)に変更し、「Food & Drink(飲食費)」「Transportation(交通費)」「Supplies & Materials(備品・材料費)」「Miscellaneous(その他)」という選択肢を登録しておきます。

画像を説明するテキストなくても可

図8:AppSheetのデータ型設定画面

[クリックすると拡大します]

 次に、このアプリにAutomation(自動化)機能を使ってAIタスクを組み込みます。写真がアップロードされたことをきっかけに(イベントトリガー)、AIタスクが起動するように設定。具体的には、Data change typeで「Adds」と「Updates」にチェックを入れ、Conditionは以下のように「写真が新しく追加、または変更されたとき」を意味する条件式にします。

[_THISROW_BEFORE].[Receipt_photo]<>[_THISROW_AFTER].[Receipt_photo]
画像を説明するテキストなくても可

図9:Automationのイベントトリガー設定画面

[クリックすると拡大します]

 そして、実行するプロセスとして「AI task」を追加し、タスクの種類として「Extract(抽出)」を選択します。どの列の画像から情報を抽出し、どの列に結果を保存するかを指定するだけで設定は完了です。より詳細な指示が必要な場合は、「Additional instructions」にプロンプトを追加することもできます。

画像を説明するテキストなくても可

図10:AIタスク(Extract)の設定画面

[クリックすると拡大します]

 これで、経費精算アプリで領収書の写真を撮影するだけで、支払日や金額が自動で入力されるようになります。

画像を説明するテキストなくても可

図11:AIタスク実行後、データが自動入力されたアプリ画面

[クリックすると拡大します]

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機材トラブル報告を自動化 事後のデータ分析も可能に

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この記事の著者

倉田 智(クラタ トモ)

 株式会社毎日放送 放送局におけるIT人材育成・クラウド利活用推進を担当。 Google Cloud 公式ユーザー会 Jagu'e'r エバンジェリスト・GWS(Google Workspace)分科会の運営に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/22545 2025/09/29 09:00

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