柔軟性の鍵は「シングルアーキテクチャ」と「マルチプロトコル」
他にもハードウェアでRAID構成をしているデータベース用のストレージでも、インデックス、テンポラリ領域ごとにボリュームを構成させるなど、極めて柔軟な設定が可能だが、ネットアップのストレージのこれらの特徴は、シングルアーキテクチャという設計思想に由来するものである。シングルアーキテクチャとは、ストレージを容量や接続インターフェイス、プロトコルごとに別々のアーキテクチャを採用するのではなく、Data ONTAP というストレージ専用のOS を搭載することを意味する(図2)。OSとWAFLファイルシステムを介在させることで、物理レイヤに影響されない抽象化レイヤによってボリュームを構成できたり、CIFS、FCoE、NFS、iSCSI など複数の接続プロトコルを扱うことが可能なストレージが実現できるのだ。
シングルアーキテクチャのメリットは、これだけではない。ネットアップのストレージの主力機種であるFASシリーズは、すべてData ONTAPを搭載しているため、エントリモデルから1ペタバイトクラスのハイエンドストレージまで、製品の持っている機能に違いはない。ハイエンドのFAS6000で利用できる機能は、エントリモデルのFAS2000 でも使える。また、ストレージの設定や管理はコマンドラインやWebブラウザで行うことも可能であるが、その方法やノウハウは各ストレージで共通となるため、ストレージ毎に異なる管理手法を習得する必要がない。