CDへのコメントをブラジル会議で討議
プロジェクトマネジメントの国際標準化作業はISO(国際標準化機構)において進められており、ISO21500として発行される予定になっている。ISOでプロジェクトマネジメントの国際標準策定に取り組んでいるPC(プロジェクトコミッティ)236において、ワーキングドラフト(WD)のコミッティドラフト(CD)への移行についての投票がこの1月までに行われ、CDへの移行が採択された。これにより、標準化作業のステータスは一段階進んだことになる
さらに、1月から4月にかけてはCDとなったドキュメントに対するコメントが募集された。CDのドキュメントはA4判で20数ページのコンパクトなものだが、PC236国内委員会によると1200ものコメントが付けられているという。ただし、このコメントは同じような内容が重複するものも含まれており、整理すれば数百にまとまるのではないかといわれる(開発中のドキュメントはISOの許可なしに外部に公開されることはない)。
PC236の次の活動として、7月12日から16日にかけてブラジルのリオデジャネイロでの総会が予定されており、付けられたコメントについての討議が行われるほか、国際標準化について、今後の予定が話し合われることになるとみられる。ステータスはCDの次にDIS(Draft International Standard)が検討されることになるが、その時期や現在2012年11月に予定されているISO21500の発行時期についても討議される可能性があるという。当初、2010年9月に予定されていた標準の発行時期はすでに2年遅れていることもあり、CDにまでこぎつけたISO21500の今後が注目される。
現在開発中のプロジェクトマネジメントの国際標準は基本的な概念や用語を定義したものであり、PMBOKのような詳細な標準は以降のテクニカルコミッティ(TC)で開発されることになる。TCの活動開始時期をISO21500発行との関係でどうするのかといったプロジェクトマネジメントの国際標準化全体に関わるスケジュールもブラジル総会で浮上する可能性がある。この連載ではブラジル総会後にPC236国内委員会に取材して今後の動きをレポートすることにする。
◎2009年の東京総会で決まった予定
CDステータスへの移行投票:2009年12月~2010年1月
CDへのコメント:2010年1月~4月
第5回総会(ブラジル・リオデジャネイロ):2010年7月
第6回総会(フランス):2011年5月
ISO21500発行:2012年