24/365の運用保守から“日立グループ初の女性CIO”に──AI活用とサプライチェーン防御の真髄語る
第44回:日立システムズ 常務執行役員 CIO/CISO 吉田浩美さん
“日立グループ初の女性CIO”としてこれからも挑戦
酒井:吉田さんは2023年に日立グループで初めて女性CIOに就任されました。
吉田:実は自分が日立グループ初の女性CIOだと知ったのは、就いて2年も経ってからなんです。2025年11月に「女性技術者育成功労賞」をいただいた際、グループの女性役員から「吉田さんはグループ初の女性CIOだから、もっとアピールしなきゃ」と言われて、「え、そうだったんですか?」って(笑)。
女性だからといって、何か特別なことをしようと意識したことはありません。ただ、エンジニアとしていろんな現場を経験し、仕事と子育ての両立に奔走する中で、自然と「働く人の負担を増やさない」ことを常に大事にしてきました。

酒井:もともとCIOを目指していたんですか?
吉田:目指していたわけではないのですが、気づいたら「あなたは階段を登っていかなきゃいけない人」という立ち位置になっていて、自分でもそう意識しながら必死に目の前の仕事に食らいついてきました。2018年に副本部長になったとき、当時のCIOから「バトンを渡すからしっかり受け取れ」と言っていただいて、そこで明確に意識しました。
酒井:ダイバーシティ推進のアドバイザーも務めていらっしゃいますよね。なにか意識していることはありますか?
吉田:無理に背中を押さないようにしています。いろんな選択肢があることを見せた上で、一人ひとり自分で考えてもらう。女性の集まりで話をするとき、必ず伝えることがあって。「時間だけは、みんなに平等に与えられている。その時間をどこに使うか、しっかり考えよう」と。日立システムズで働くことが、自分の人生の目標実現につながっているかどうか、そこを一度立ち止まって考えてほしいんです。
酒井:吉田さんは今、どんなふうに時間を使いたいですか?
吉田:これまではスキルアップや人脈形成といったことに時間を使ってきました。でも最近は、友人や家族といった社会関係資本の尊さをひしひしと感じていて。10年くらい前までソフトボールをやっていて、当時は練習に行くのが億劫だったのに、今となってはあれは幸せだったなと(笑)。これからは、趣味など新しいことにも時間を使っていきたいと思っています。
つい先日、海外対応のプロジェクトでヘマをして、我ながら「ヘボだな」と(笑)。でもそれで、改めていつまでたっても挑戦なんだと思えました。自分がどうしたいか、組織をどうしたいか、会社をどうしたいか。もっと言えば、日本をどうしたいか。一人ひとりが考えて、少しずつ行動を変えていくことで、必ず良い方向に変わると思っています。大切なのは、一人で抱え込まないこと。仲間とともに、デジタルの力で次世代が安心して暮らせる社会を切り開いていきたいと思います。
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酒井 真弓(サカイ マユミ)
ノンフィクションライター。アイティメディア(株)で情報システム部を経て、エンタープライズIT領域において年間60ほどのイベントを企画。2018年、フリーに転向。現在は記者、広報、イベント企画、マネージャーとして、行政から民間まで幅広く記事執筆、企画運営に奔走している。日本初となるGoogle C...
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