システムの二極化とクラウド化 新たな時代に求められるもの
システム管理者の作業は地道なものが多く、ユーザーからの理不尽な要求も少なくない。森下氏は「自分も含め、マニュアルすら読んでいない人も多い。ユーザー側の知識が足りない中で対応してくれる管理者には頭がさがる」と自らの体験を含めてシステム管理者への感謝を述べた。

宇陀氏は「利用者が増えて誰もが直感的に分かるようになる部分と、難しく堅牢で深い知識を持つ人しか触れられない部分と二極化が図られていくのではないか」とシステムと管理の将来を語り、さらに「今までベンダーが全責任を持たざるを得なかったが、システムには多くの立場が違う人々が関わる『群衆の叡智』型の開発が生まれつつある」と新しい可能性を示唆。それを受けて、竹藤氏も「クラウドで仕事のやり方や評価の仕方が変わり、アプリケーションは高度で多様化するだろう」と応じた。
宇陀氏はさらに「ITはまだまだ未熟な産業。ライフラインとはいえ、水道や電気に比べると安定性に問題がある。それを支えているのがシステム管理者。ベンダーはもっと自らに厳しくなるべき」と業界側からの辛口の意見を述べ、森下氏は「ITエンジニアはあしながおじさんのよう。知らないうちに、どんどん欲しいものが実現されていくことに感謝したい」とユーザー側からのエールを送った。
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伊藤真美(イトウ マミ)
フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。
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