“作って終わり”のその先へ──大和ハウス工業が事業成果までを追う「事業DXチーム」を発足
第48回:大和ハウス工業 経営戦略本部 デジタル戦略部 企画統括室 企画グループ 事業DXチーム 苧野遥那さん
個人に閉じがちな情報をどう共有する? “社内マッチング”に挑戦
酒井:他に駐在していて見えてきた課題はありますか?
苧野:情報共有が難しいということです。自分のPCのExcelなどで情報管理することに慣れていて、情報が個人に閉じてしまっているんです。
でも、たとえばある営業担当者は梅田エリア(大阪市)の土地情報を持っていて、別の営業担当者は梅田に出店したいテナントさんを抱えている。データを入れて共有すれば、この2つをマッチングできる。そんなふうにできたら生産性が上がりますし、売上にも貢献できます。実際、駐在している営業部ではTeamsのグループチャットで「新大阪で物件を探しているんですけど、ありませんか?」「この物件の情報持ってます」というやり取りが行われているんです。これをさらに活性化できたらいいなと考えています。
酒井:営業の皆さんにとって、物件情報は営業同士で共有するものではないというイメージもあるのでは?
苧野:そうですね。実際に話してみると、「積極的に共有しなくてもいいのでは」という声もあります。ただ、今の駐在先では責任者が「どんどん情報を出していこう」というスタンスで、「エリア単位でマッチングできたらいいのでは」という声も上がっています。
それを実現するためにまず解消すべきなのは、入力の手間ですね。営業は朝礼を終えると外出し、戻ってくるのは夕方5時くらい。お客さま対応もある中で、システム入力に要する時間が惜しいですよね。Teamsのグループチャットのように、ドラッグ&ドロップくらいの手軽さで共有できる形を目指すのがいいかなと思っています。
酒井::AIを活用した施策も企画されているそうですね。従業員のみなさんもAIの関心は高いんですか?
苧野:高いですね。この前もエレベーターに乗ったら、後ろの方が「これ、Copilot使ったら何かできるんじゃない」と話していて(笑)。「AIを使って何かしたい」「何かしてほしい」という要望も、実際に多くいただいています。
ただ、AIを魔法の杖と思っている方もいらっしゃいます。AIにも得意不得意があるので、得意なところを活かした現実的な提案で、生産性向上につなげていきたいです。
現場駐在の課題で手を付けられているのは、まだ氷山の一角です。加えて社内では、デジタル戦略部にまだ運用保守のイメージが強いのも実情です。だからこそ、売上が上がった、コストが削減できた、作業時間が減ったという成果をまず出して、発信していきたい。そして「デジタルで何か困ったり、何かしたいと思ったら、デジタル戦略部の事業DXチームに相談しよう」と頼られる存在として、社内に浸透させていくのが目標です。
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酒井 真弓(サカイ マユミ)
ノンフィクションライター。アイティメディア(株)で情報システム部を経て、エンタープライズIT領域において年間60ほどのイベントを企画。2018年、フリーに転向。現在は記者、広報、イベント企画、マネージャーとして、行政から民間まで幅広く記事執筆、企画運営に奔走している。日本初となるGoogle C...
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