「Strands Agents」導入 マルチエージェントシステム構築へ
本間氏が見据えているものは、社内情報検索に続く、“処理の実行”までを含めた「業務の自動化」である。実際、設計の業務では、情報検索と処理がセットになっていることが多い。たとえば、「○○についての情報を教えて」と問いかけるだけならRAGだけで対応できるが、「○○について調べて、その比較と分析をして」となると話は変わってくる。何を基準に比較し、どのような観点で分析するのかは、プロンプトだけでは制御できない。この検索と処理の間にある溝を埋めるため、同氏が着目したのは「Strands Agents」だ。
Strands Agentsは、数行のコードでAIエージェントの構築・実行が可能な“モデル駆動型アプローチ”を採用したオープンソースSDKである。シンプルなユースケースから複雑なものまで、そしてローカル開発から本番環境でのデプロイまで対応する。たとえば、自作ツールの処理をエージェントに組み込むことや、複数のエージェントを連携させたマルチエージェントシステムの構築も可能だ。
実際のビジネスでは、同時並行でまったく異なるタスクを実行することはよくある。たとえば、「○○の部品表を教えて」と設計に関する(比較的時間のかかる)タスクの実行中に、「東京事業所から武蔵境行きの次のバスは何分後かを教えて」というタスクを実行してもらうようなケースだ。同じ画面を利用しながらも、種類の異なるタスクに対し、状況に応じて複数のエージェントを呼び出しながら業務を進めていく。
システム構成は、GenUをフロントエンドとし、必要に応じて社内システムにエージェントがアクセスできるようにしている。前述の「○○について調べて、その比較と分析をして」というタスクであれば、親エージェントが検索を担う子エージェントに情報検索を実行させ、終了後に別の子エージェントがグラフ作成を行う。それが終われば、別の子エージェントが起動し、分析する。このようにすべての処理が終わるまで、親エージェントは子エージェント群の処理を制御する。
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このとき問題となったのは、LLM特有の確率論的な動作だ。本間氏は、LLMの得意/不得意を見極め、不得意な部分をコードで補うことが重要だと指摘する。SUBARUでは、ユーザー入力の解釈、表記揺れの統一、必要情報の抽出ではLLM、絶対に誤りが許されない計算や明確なルールの適用はコードで実装することにした。
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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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