より具体化する設計業務効率化のイメージ
SUBARUでは、他にも業務特化型エージェントと汎用型エージェントを組み合わせた、新たな仕組みを構築している。業務特化型エージェントは、「文書検索」「E-BOM(Engineering BOM)関連」「CAE解析関連」など、各領域でさまざまなタスクを担う。製造業で使われる部品表の中でも、E-BOMは設計部門が作成する製品の機能・構造を示すもので、製品開発の基盤となる非常に重要な情報である。たとえば、自動車という製品は、「エンジン」「トランスミッション」「車体」などで分類し、エンジンは「ピストン」「クランクシャフト」「シリンダーブロック」など、さらに細分化して整理するような形だ。
設計者は、ある車種の仕様にどんなピストンが使われ、どのような経緯で指定されたのかをすぐに把握したいが、検索や比較には時間がかかってしまう。加えて、そもそも社内のE-BOMツールを見つけにくく、ツール特有の検索条件設定や表示方法の選択でつまずくこともある。そして、結果が得られたとしても、Excelにコピー&ペーストすると体裁が崩れ、時点間の変更確認も煩雑になるという。このような作業自体が設計業務のボトルネックになっていた。
そこで、考え出されたのは、GenU上で自動的に必要な情報を調べてくれるエージェントだ。エージェントが部品表の情報を取得し、Excelへ転記した上で比較結果をユーザーに返すような仕組みである。本間氏は、設計・構築において苦心した点として、前述したLLMとコードのバランスを挙げると、「どこにLLMを使い、どこでコードを記述するべきか。自分たちの業務を整理しながら検討した」と話した。
最終的には、「○○と△△の部品表を取得してください。その後、部品表比較を実行してください」とチャットに入力すると、比較結果がまとまったExcelへのリンクを返すエージェントを構築している。
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このようなAIを組み込んだシステム構築は、今も続いている。講演を締めくくるにあたり、これから同様の仕組みを構築したいと考える非ITエンジニアに向けて、本間氏は「情報収集」「実際に自分で手を動かしてみること」「スモールサクセスを積み重ねること」が重要だとして、実践を勧めた。
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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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