Workdayは、企業で活用されるエンタープライズAIの信頼性、信用性、効率性の向上を目指す専門研究チーム「Workday AI Research」を発足した。
同チームの研究成果は、WorkdayにおけるAI開発に活用されるだけでなく、新たな知見や手法、評価方法として、より広範なAI研究コミュニティにも貢献するとのことだ。
次世代のエンタープライズAI研究者の育成を支援
上記とあわせて、学術コミュニティとの連携を深めるため「Workday AI Research PhD Fellowship」も開始するという。
同フェローシップでは、AIとエンタープライズソフトウェアの領域で研究に取り組む優秀な博士課程の学生を支援。採択者には、所属大学への使途を限定しない研究資金として年間5万ドルを提供するほか、WorkdayのAI研究者による専門的なメンタリングや直接的な共同研究の機会、Workdayでのキャリア機会への早期アクセスを提供するとしている。
Workday AI Researchの最新の研究成果
AIエージェントは、全ての情報を保存するのではなく「必要な情報」のみを記憶できるのか
同社の研究者は、AIエージェントが有用な情報を保持しながら、古くなった情報や重複した情報、信頼性の低い情報を除外できる、より選択的なエージェントメモリ(記憶)方式を開発したという。
検証では、従来手法と比較して精度が12%向上し、メモリ全体の品質も約8%改善したとのこと。また、重要な情報の97%を保持しながら、主要なAIベースの比較対象となる手法と比べて、約31%高速に処理できることが確認されたとしている。
この結果は、より優れたメモリの仕組みによって、有用性と効率性の両方を高められることを示しているとのことだ。
複数のAIエージェントは、単一のAIエージェントよりも優れた意思決定ができるのか
複雑な業務を、専門性の異なる複数のAIエージェントに分担させることで、回答の品質とルールへの準拠の両方を向上できることを明らかにしたという。
研究では、1つのAIエージェントが選択肢を検討し、別のAIエージェントがルールへの準拠を確認し、さらに別の調整役のAIエージェントが全体を統括。その結果、精度が5.8%向上し、最終的な回答はすべて、研究で定めた制約条件を満たしたとのことだ。
この研究結果は、企業がAIによる質の高い提案と、厳格なガードレールのどちらか一方を選ぶ必要はなく、両立できることを示唆しているという。
AIエージェントに「忘れて」と指示すれば、メモリは削除されるのか
AIエージェントのメモリから情報を削除しても、その情報が完全に消去されるとは限らないことを明らかにしたという。
研究では、AIエージェントに特定の情報を忘れるよう指示したところ、約5回に1回の割合で、その情報が過去の要約から復元可能な状態で残っていたとのことだ。
情報を完全に消去するには、元の記録だけでなく、その情報に言及しているすべての要約も削除する必要があったという。
この結果は、AIエージェントにおける「忘却」を実現するには、元の記録を削除するだけでなく、その情報が含まれるすべてのコピーを削除する必要があることを示しているとのことだ。
Workday AI Researchは、厳密なAI研究と企業の現実的なニーズを結びつけることで、有用性、効率性、透明性を備え、実際の業務で活用できる次世代AIツールの実現に取り組んでいると述べている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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