おでこに跡のつかないキーボード、私達みんなの願いです
現代のIT戦士たちにとって、キーボードはすでに体の一部!
(メガネは、顔面の一部である人とそうでもない人がいます)
21世紀の頭脳労働者のPC入力機器全般へのこだわりは、
PC以前の時代における、万年筆に代表されるような
筆記用具へのこだわりを引き継いだものと見ることができ、
さかのぼれば有史以前、石器時代にはすでに
壁画を描くための石の材質や形に対する強いこだわりが
存在したといわれていますし、
結縄文字で知られるインカ帝国では、縄の材料の産地は
どこどこに限るといった暦作者のこだわりの蘊蓄が
数十メートルにわたって縄上に結び記されたものが
発見されています(*スペイン軍に燃やされたため現存しません)。
僕自身も、IT雑兵の端くれとして
理想の入力機器のイメージを明確に持っています。
それは、「キーの間に菓子くずが詰まらないキーボード」!
ある調査によれば、
キーボードにつまった菓子くずを食べて暮らすアリたちを
主人公にした絵本が、すでに全世界で134冊も
出版されているそうです。(*虚偽の情報です)
今やそれほどまでにポピュラーなキーボードの菓子くず問題!
でも、カバーとか防護フィルムを使うというのは
キータッチが変わるからイヤなんです!(こだわり)
理想は、アリの形をしたマイクロマシンが嬉しそうに(←ここ重要)
菓子くずを運んでいってくれる、
ハイテク生態系式のキーボードですね。
運びさられた菓子くずは、どこか人間の手のとどかない場所で
ひとつにまとめられ、しだいにジンジャーマンクッキーのような
姿に形作られてゆきます。キーボードに入り込む菓子くずを
「文明の垢」と呼べるならば、それはまさに現代の垢太郎。
顔はもちろんユーザーと瓜二つです。
完成すると立ち上がって歩きます。
おそろしい……ほんとうにおそろしい……
お気に入りのキーボードを枕に
きょうはそんな夢をみました。
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倉田 タカシ(クラタ タカシ)
「ネタもコードも書く絵描き」として、イラストレーション、マンガ、文筆業、ウェブ制作、Adobe Illustratorの自動処理スクリプト作成など、多方面で活動。
イラストの他に読み札も手がけた「セキュリティいろはかるた」はSEショップより発売中。
河出文庫「NOVA2-書き下ろし日本SFコレクション」...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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