号泣必至・魂のプレゼン! (*効果には個人差がございます)
「鬼が来るぞー!」
「鬼が来るぞー!」
「プレゼンの鬼が来るぞー!!」
プレゼンの鬼は、ふだんは山の奥深くに住んでいます。
しかし、おなかが減ると人里に現われ、
公民館などを借りてプレゼンテーションを行います。
巧みな話術に聴衆は熱狂し、羽毛布団をたくさん購入。
これで生計を立てているというわけなのです。
ところで、プレゼンの鬼は
プレゼンテーションにパワーポイントを使うのでしょうか?
ぶっちゃけ、まったく使いません。
じつは、プレゼンの鬼は、パワーポイントを作った会社を
とてもとても深く憎んでいるのです。
その憎悪こそが彼を鬼に変えのだという説さえあります。
ですから、彼はもっぱら紙芝居を使ってプレゼンをします。
紙芝居とはいっても、鬼ですからふつうの紙は使いません。
ダムの下に沈んだ村の家々から持ちだしてきたという襖に
いのししの血などでダイナミックに描いた自然の風景、
その脇には心あたたまるポエムのような人生訓。
これが人々の心を打つのです。
ふとんが飛ぶように売れるのです。
さて、プレゼンテーションをしていないとき、
プレゼンの鬼はなにをしているのでしょうか。
言い換えるなら、プレゼン中でないとき、
プレゼンの鬼はいったい何の鬼なのでしょうか?
「もっぱらオンライン麻雀を楽しんでいます」
そう、プレゼンの鬼は、オフには雀鬼と化すのでした。
人の心について、麻雀を通して学べることはとても多いのだと
プレゼンの鬼は説明します。
オフの間に得たことがきちんと仕事にフィードバックされる、
とても理想的なライフスタイルです。
それにしても、プレゼンの鬼は
ほんとうにパワーポイントを使わないのでしょうか?
ほんとうに、まったく使いません。
「わたしがプレゼンにパワーポイントを持ち込んだら
即座に撃ち殺してくれと、知り合いの猟師に頼んであります」
そんなストイックな姿勢も、あのパワフルでポイントを押さえた
プレゼンテーションの生まれる秘訣のひとつなのでしょう。
そして、毎回ちゃんと銃に弾をこめてプレゼン会場に現われる猟師の方にも、
プロのなんたるかを教えられたような気がしました。
この記事が、皆様のプレゼン技術向上の一助となりますように……
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倉田 タカシ(クラタ タカシ)
「ネタもコードも書く絵描き」として、イラストレーション、マンガ、文筆業、ウェブ制作、Adobe Illustratorの自動処理スクリプト作成など、多方面で活動。
イラストの他に読み札も手がけた「セキュリティいろはかるた」はSEショップより発売中。
河出文庫「NOVA2-書き下ろし日本SFコレクション」...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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